初心な私は恋を知らない
熊肉の時雨煮
プロローグ
この物語を始めるにあたって、最初に
高嶺姫華、
可憐で儚げといった印象だが、決して病弱というわけではない。運動は相当できるようで、昨年の体育祭では選抜リレーのメンバーに選ばれていた。彼女の身体能力を見た運動部員がこぞって勧誘をするほどだ。精神面でも無類のしたたかさを誇り、相手が生徒会長であろうと教師であろうと間違っていれば相手が参ったというまで問い詰める。それも笑顔のままでだ。
学校での成績は優秀。テストでは主要5教科合計496点で学内トップ3。通知書は内申点オール5。授業態度も積極的に質問や回答を行うなど超がつくほどの優等生。私が中学まで存在を疑っていた文武両道の擬人化のような存在だ。
人付き合いもとても良い。誰とでも分け隔てなく接する姿は『慈愛のお姫様』と形容できると、彼女に
そんな100人に聞いた理想の人間を再現してみました。みたいな彼女だが、意外にも恋愛対象としての人気は少ない。別に彼女が別次元の存在すぎて誰も手を出せないなんて半分神様染みた理由ではない。むしろ入学当初は彼女への告白は後を絶たなかったという。そんな彼女への告白がなくなったのは、ひとえに彼女の恋愛遍歴によるものだ。
彼女は基本的に告白を受けることはない。しかし、去年私が入学してから今に至るまでの十二ヶ月で、彼女は四十人を超える生徒へ告白し、内三十五人と付き合っている。そしてその全てが交際開始から一週間と経たずに別れていた。しかもそれを切り出すのはいつも彼女の方からだと言う。
クラス学年の壁を越え誰にでも告白をする彼女の奇行はすぐさま全校生徒に知れ渡った。衆目を集めるようになった彼女の行動の目的は今でも不明のままだ。そんな不気味さしか感じない彼女告白は、最初ほどの百発百中ではないものの、今でも成功している。そしてこの告白は意外にも今なおを被害者が後をたたない。それを可能としているのは彼女の人柄と容姿ゆえだろう。女同士とはいえ、彼女に告白されれば舞い上がってO Kしてしまうのも仕方がないだろう。
完璧であり、それを打ち消すほどのミステリアスさを兼ね備えた、心内の知れない可憐な少女。それが彼女を恋愛対象としてみられずともマドンナの1人に押し上げる人気の理由だろう。
そんな彼女と、私は本来関わることはないはずだった。私と彼女は属性としては対極に位置しているからだ。彼女がその純白とも言える人柄で、美貌で人々を堕としているのに対し、私は人の欲に漬け込み騙し取るただの売女なのだから。
そんな私が、なぜ彼女についてここまで調べたのか。それは、ひとえに二週間前の出来事に起因する。それはそう、四月十日のこと。私、
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お久しぶりです、熊肉の時雨煮です。
リアルの事情で遅れはしましたが今日からカクヨムコンに参加いたします!
久しぶりのカクヨムでの連載で拙い文章になってしまうかも知れませんがお付き合いいただければ幸いです。よろしければブックマーク、☆、❤️もお願いします!
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