第2話 過去 マリちゃんとの思い出

俺には小さい頃、4人以外に仲良くしていたマリちゃんというお姉さんが居た。


実際の姉じゃない、村ハズレの廃屋に住んでいたお姉さん。


かなり年上なのに『マリちゃん』と言わないとむくれる痛いおば……いやお姉さんで、周りから頭がおかしいと言われていた。


だが、このお姉さんの話が好きだった。


その昔、勇者を殺せる武器『ブレイブキラー』をつくったとか……まるでおとぎ話だった。


そんなマリちゃんが最後に作ったのがこれ……惚れ薬の失敗作。


『マリちゃん、孤独が嫌だから惚れ薬を作ろうと思ったのよね! だけど、惚れ薬を作っても相手に飲ませないといけないじゃない? だったら、自分が飲む事でモテモテになる薬を作ろうと思ったのよ』


そういってマリちゃんはこの薬を作り始めた。


そして、ある時……マリちゃんの家に行くとマリちゃんは居なくなっていてこの薬と手紙があった。



親愛なるフドラちゃんへ


 マリちゃんは結局『惚れられ薬』は作れませんでした。


 代わりに完成したのがこの『魅了する薬』です。


 この薬は、人を魅了するのではなく、血液を含む体液が全部、麻薬みたいになっちゃいます。


つまり何が言いたいのかといえば、この薬を飲んだら、その相手の体液欲しさに何でもするようになるし、離れなくなります。


ただし、麻薬の様な物なので……多分、恋とかは無縁になっちゃうんだ。


使う使わないはフドラちゃんに任せるよ。


それではマリちゃんは、追手が来たみたいなのでこの村を逃げ出します。


もうきっと会えないかもね。


バイバイ……


                            マリ



◆◆◆


普通ならこんな話は信じられない。


だけど、マリちゃんから貰ったブレイブキラーを作った技術で作ってくれた武器……マリちゃん曰く、クリプトンガスレーザーブレ-ドが、マリちゃんは嘘つきじゃないと語っている。


この特殊な剣は、オーガをまるで紙のように切断するし、俺が持たないと力が発動しない。


マリちゃん……


この薬……使うね。


そう思い……この薬を一気に飲み干した。


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