ダブスタヒーロー【騎士団長殺しの生存戦略】〜異世界で父親を殺した俺は何故か国王からも反乱軍からも頼られてます〜

鳥羽フシミ

第1話

まぁ結局のところ俺が現代日本からの転生者か、それとも転移者か……そんな事は俺の第二の人生にとってはどうでも良い話なのだ。


だって……俺に前世の記憶が有ろうが無かろうが、そんな事はこの物語には一切関わって来ないんだから。


例えば前世の俺が……


高校生だったとか、社会人だったとか。


陽キャだったとか、陰キャだったとか。


横断歩道でトラックに轢かれたとか、自ら快速列車に飛び込んだとか……


そんな過去の俺の人生や性格が今さらどうでも良くなるくらいの時間を、俺はこの……いわゆる異世界と呼ばれる場所で過ごしてしまったのだ。



それに――。


もし今、君の目の前に突然……自分の前世が織田信長だとか、Mエムナンチャラ星雲からやって来たナンタラ星人だとか――


そんな馬鹿げた事を大真面目に信じ込んでいる奴がいたらどう思う?


当然イタい奴だって思うし、そんなの単なる思い込みだろって……当の本人の僕ですらそう思うよ。


だから、忘れてくれて構わない。


そんな設定なんかどうせすぐに、どうでも良いものになちゃうんだから。



 

さて、残念ながら俺という主人公は女神にも出会うこと無く、チートも授かることも無くこの世界を渡り歩いて行く理由わけになるのだが……


そこにはやっぱり――


たくさんの可愛い女の子が出てきたり、超人的な能力で俺を追い詰める敵対勢力、なんて感じの興味津々おきまりの設定はもちろんあるのかもしれないけれど。


そんな事は本当にどうでも良くて、


結局のところ、俺がどうしてもこのプロローグで言っておかなくてはならないのは。



結局のところ『ずっと皆んなのことを騙しつづけていたのは俺』と言う初っ端からのネタバレに尽きるのである。



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