第48話
「しっかり掴まっててね。」
「······っ降ろし、てください······!」
もっと強く言い返したいのに。
でも、伝わる体温と至近距離にある顔のせいで喉まででかかった言葉は自然と溶けていく。
そんな私の気持ちを見破ったかのように、彼は余裕のある笑みを浮かべながら、軽やかな足取りで一歩を踏み出した。
一体誰がつい数分前に入ってきた扉から即出るハメになると想像できただろうか。少なくとも私は1mmも予想できなかった。
「今じゃねーよ······って、早ぇなアイツ。」
暴走する彼を注意するどころか、舌を巻いている先生。
······一生恨んでやる。クソカエル教師め。
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