第38話
「あの······まだですか?」
かれこれ5分以上、同じ景色が続く廊下を歩く私たち。
いくらなんでも教室までの距離が長すぎやしないか。
「そんなすぐに着くわけないだろ。······いいか転校生、覚悟しとけよ。」
「覚悟······?」
「ああ、特進クラスからの冷たい視線にな。」
「······は?」
何それ。
その言い方、まるで私がBクラスに行くような言い方じゃ、
「おー見えた。あそこが教室だぞー」
ザワつく気持ちを抑えながら先生の指差す先を見ると、立ち所に私の足は固まった。
「······先生、教室間違ってると思います。」
「残念ながら間違ってないんだなーこれが。」
「いや、だって······」
目に映るのは【特別Bクラス】のプレート。
何度目を擦ろうともその現実は変わらない。
おかしいおかしい。そんな急激に視力が低下したのか私。
必死に目を擦る私をニヤニヤしながら見つめる先生は、私に更なる追い打ちをかける。
「ほんとバカだよなー。あんな呑気に寝てっから。」
「······バレてた。」
「ははっ、先生舐めんなよー」
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