第16話

「ごっ、ごめんなさい。変なことばかり言って······」




偉大なる生徒会長様を目の前にして何バカなことしてるんだ私!このアホ!ポンコツ!




余計なことを言うとまたおかしなことを言ってしまいそうで、今はもうひたすら頭を抱えることしか出来ない。




嫌だ!出会って早々問題児認定なんて······っ!




そんな後悔の念に苛まれる中聞こえた、フッと漏れたような優しい笑い声。




予想外の反応に顔を上げると




「冴島さんって、随分突飛なことを言い出して······面白い人だね。」


「······それ褒められてます?」


「うん。最上級の褒め言葉のつもりだよ?」


「······そ、それはどうも。」




やい、イケメン生徒会長さんや。




こんな嬉しくない褒め言葉、人生で初めてもらいましたよ!




「じゃあ、試験会場までは僕が案内するからついてきてね。」


「は、はい!お願いします!」




会長が足を進めたのを見て、私もその一歩後ろを歩き始めた。

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