第14話



迎えた転入試験当日。




「でっか······」




家から片道3時間半かけて到着したこの建物こそが、私の通うことになる『逢見高校』らしい。




白を基調とした清潔感のある校舎。




都会なのにもかかわらず緑溢れる正門前。




「どこの国の王宮だよっ!」とツッコミたくなるくらいに綺麗で非の打ち所がない。




というかここ······私立だったんかいっ!




通りで宵が見せてくれた画像がことごとく綺麗だったわけだ。




「尊、一人で行けるか?迷ったりしないか?」


「······私のこといくつだと思ってんの。」




車から降りて校舎にまで入って来ようとするお父さんを必死に車に押し戻す。




まったく、親バカというかなんというか······




ちなみに、野球バカ悠真はまだ義務教育中だから転入試験を受ける必要がないらしい。くそっ、ずるいヤツめ。

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