第41話


 …子供や嫁には、自分の格好悪い所を見せたく無いと思う父親の気持ちを皆にはもうちょっと分かって欲しいと思う今日この頃でござる。


 村に帰り着いてから数日は平和だった…。


 何やかんやあったけど、楽しかったねー。

 位で終われていた時分は、確かにそこには平和があったと思う。




「———お父さんっ!?」


 信じられないっ!って顔して叫ぶ娘に、俺は内心アレの事だとは勘付きつつも


「?」


 キョトン顔で応対しました。

 …大人気なく無いです。

 適切な処置であったと自負している。キリッ。


「ベッドの下にあった本!何処に隠しちゃったの!?」


 …はて?

 何の事でしょうかね……ジブンニハ、ワカリカネマスナァー?(棒読み)


 …全然何の事だかわからないけれど。

 旅中に散々暴露されてしまった黒歴史を、いつまでも同じところに置いておく訳が無いんじゃ無いですかねー?

 心当たりは全く無いんですけども!

 

 …まさか自分の部屋を漁られているなんて思わないから油断していたが。

 全てをBOXに収納しました。

 もう一生出さないと思う。


 娘が、キーキー喚いておりますが、これについてはガンと譲らない姿勢でお送り致します。


「お母さんにも読ませてあげるって約束したのにぃーーー!!!」


 と地団駄を踏まれてもねぇ。

 …そんな物は存在しなかった!

 無いものは無いので諦めて下さいな、としか。




 …あんな駄作に執着するのは、この世界にはあまり娯楽が無いからだと思うんだ…。死んだ目。





 ———……と言うことで、作っちゃいました!

 “遊園地”は言い過ぎだけど、公園と遊園地の合いの子みたいな遊び場を。


 勿論、村長には許可とりました。

 結構なスペース使うんで。

 

 村長マジ気さくで良い人なんだよねー。

 やる事なす事、基本何でも許可くれんのよ。

 …だからと言って、俺は村長やりませんからね、面倒臭い。

 ダグマは出て行っちゃったけど、村長もまた子供こさえてたじゃ無いですかー。

 成長するまで、現役で元気にやって欲しいと思う。

 俺に他人を気にする慈悲とかは皆無なんで諦めて欲しい。うん。



 ———……結果。

 気を逸らす作戦は見事、成功した。ニヤリ。


 大興奮な上、大歓声で迎えられたからね、俺。


 思った以上に、大人からの評価も高くて困った…いや、子供と取り合わないで欲しいのだが?


「こんなに楽しいのが悪いっ!」


 …とか言われたんだけど。

 しかも村の皆の総意とか笑えん。真顔。


 遊園地公園?のラインナップは、ほぼ90度の幅広い滑り台にアスレチック的な足場を登って到達する奴が1つ。


 ターザンロープも2レーン作ったし、ただただ高い山にトンネルを掘ったもの、地球のジェットコースターには劣るものの、学生が文化祭で木組で組む“もどき”よりかはちょっと豪華に魔石も取り入れて作った子供用ジェットコースターが3つ。

 …この3つは、それぞれ趣を変えた物を作ったよ。

 かなりの力作になったと思う。ドヤァ。


 公園にあるようなブランコも作ったけど、やっすい遊園地にある様な空中ブランコなる鉄製の檻をぐるぐる足漕で回す奴も作った。


 3輪車やゴーカートも魔石で動く仕様にして、くねくねコースを作ったし、その辺の土を固めて迷路とかも作ってみた。


「わああぁぁっっ!!」


 ジェニーどころか大人達まで大喜びだった。

 勿論、レオンやグレンの様なもうちょっとで大人な組にも刺さったみたいで、目をキラキラさせてたのには笑った。

 …大人達の反応は正直想定外で、遊具が全然足りなくてブーブー文句を言われながら追加分を作らされたのはちょっと理不尽に感じた…解せぬ。


 …まあそこまで喜ばれたら、悪い気はしなかったけどね。ふふん。





 …アズマさんにはボロボロと泣かれて、1兄に絞められたのは超心外だったけどね!


 くっそ、殺気向けられたかんな…。遠い目。


 で、ナーゼナーゼしたら結局のところは、“懐かしさ”からだったって言うじゃん!

 …俺、怒られ損じゃね!?





 ふ……、まあ色々あったけど。

 これで何とか最初の目的からは大分、気は逸らせたんじゃ無いでしょうか?


 いい仕事したぜー、と思いながらその場をそそくさと離脱したんだけど。






 ちょいちょいとシャツが引っ張られて


「見せて」


 って嫁にお願いされたらさぁ……。


 抗えないっすわー…。白目。


 ジェニーは例外だったけど、その他の人には内緒を厳守して俺と一緒におねむの時だけベッドにて見て良いことになりました…しくしく。


 …偶にこっそり一人で、漫画の技名呟いて悦ってる嫁を見かける事があるのだが…居た堪れない複雑な気持ちになる俺がいるので辞めて貰えないでしょうか———……?


 可愛いけど、素直に喜べない。(スン顔)


 




 





 


 

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