〜グレン、レオンの冒険②〜





何とか四苦八苦?しながら、街に到着!


…聞いてた話より、めちゃくちゃ遠くて時間掛かったよ。

それこそ、父さんの便利道具無いと詰むだろ、って位には。


道中に点在していた、以前は誰かしらが住んでたんだろうなって考察出来る、集落の廃墟群が点々と残っているのを見るのは結構恐怖だった。


最初の休憩予定地だった廃墟村を見て


「え、俺らの村から近くない?こわー…」


のんびり者のグレンも流石にこれは怖かったのか、プルプルしてたし。

俺もそんな廃墟群を見る度に、帰りてぇー…ってなったわ。


何ヶ所かの村や町で、休憩予定だったけど……全部全滅済み。

不吉過ぎてこの場所で休もう、とは一切ならなかったからな。

足早に元村から離れて、森の中で寝泊まり。

行商になるならって村長に貰ってた地図は、完全に役に立たなかったな…いつの奴だよ、これ。


グレンの


「やっぱり兄さんに着いて来て貰おうよ〜…」


と言う泣き言は敢えて聞こえない振りをした。

息子からしたら、父親同伴はやっぱりちょっと…嫌じゃん。


しかも独り立ちして直ぐに出戻りとか格好悪いし。

一応俺にも意地とプライドはある訳で。

…ちょっと怖くて不気味だからって、こんなに早々親に泣き付けないっての。


幸い道中は何事も無かったし、グレンは何とか宥めすかして、やっと目的地に到着!




「おー、めっちゃ並んでるね」


凄い大きい規模の街みたいで、でっかい石壁に囲まれている。


それでも、“これがあれば安全だね”って素直に思えないのは…何か明らかに襲撃されました的な大きな爪痕が所々に残っているからだ。


「はぁ〜…やっと活気ある場所に来れたな」


まあでも活気があるって事はそれらは解決済みなんだろう、多分。

その辺の人に聞けば直ぐにわかる事なんだけど、否定されるの嫌だから聞いてないし、聞く気も無いのだ。はっはっは。


先発組は無事、辿り着けてると良いけど。

少なくとも、村へは誰も帰って来てないから…まあ着いてるんだよ、多分。

…怖いから確認とかは一切する予定無いけど!!


で、入り口までの長蛇の列に並んで順番待ちだ。

多分これ数日位掛かると思う。

その位、並んでる人が多いのだ。


「今日は久々建物の中で休めると思ってたけど、まだ一時はテント生活だな」


「そだねぇ〜…目の前で、お預けされてる気分ぅ〜〜」

ホントそれな。

まあ、めっちゃ良いテントではあるんだけどさ。



「…何かさぁ、周りからの視線が痛く無い?」


「めっちゃ痛いし、このめっちゃ臭いの何なんだよ!馬の糞垂れ流して放置スタイルとかクッソ不潔じゃね!?」


別に誰も話しかけて来たりとかしないけど…俺らが何かしら動く度に、ざわつくのはどう言う訳なんだろうか。


何かちょっと遠巻きにされてるんだよな。


後、気になるのはこの臭い!

列には荷馬車もそこそこ並んでいて、そこには当然それらを引く馬も居るんだけど…まさかのそこら辺中、全部が糞だらけ状態なのは流石に笑えねーんだけど!?


…でもさぁ、こそこそながらも臭がってんのって俺らだけなんだよな。

それを皆当たり前の様に気にして無いんだぜ?

都会、マジで恐ろしいトコロだぜ!


父さんアドバイスの母さん作、旅用ローブ下にあるネックウォーマーを鼻上まで引き上げるとちょっとはマシになった気がする。


何が怖いって街に近づくに連れ、どんどん臭いが酷くなって居る所である。


「ヤバイ…マジで、村に帰りたいかも」


「同感…こんな日常、受け入れられないって」


ボショボショと2人で、泣き言を言い合う。


父さんが都会の何が良いのか分からん、って言ってた意味を入る前から理解しちゃった俺らが通りますよー…。涙目。


足の踏み場も無いって程では無いけどさ。

それでも気にせず、踏んで行く奴さえも居るのはさぁ…。

それを周りが気にして無い事実にも、ドン引きな訳で。


「ううっ…皆が都会最高っ!って言ってたから、夢見てたのにさぁっ!」


「村に残ってる大人達も“都会=凄い”で思考止まってるし。いや、確かに別の意味では凄かったけど!!そうじゃ無いじゃんっ!?…都会に否定的なの、父さん位しか居なかったからなぁ。愚痴も話半分程度に聞いて、全然相手にしてなかったんだよなぁ…」


ちゃんと聞いとけば良かったと、今更後悔中。


「俺らの村ってさぁ…めっちゃ綺麗だったんだな」


「うん。道も土が剥き出しの所が多くて泥だらけじゃん。俺らの所、土の所が皆無って訳じゃ無かったけど、人が通る所にはレンガ敷き詰めてあって、水捌け良くしてあったし。歩行もスムーズだったよねぇ…」


履いてきた靴は泥が跳ねて、少し上の方までべっちゃべちゃ。

…勿論、糞の方は巧みに避けて通ってるよ。

絶対踏まねぇし。


テント建てる時は、その辺の棒でつついて移動させてるけど…直接蹴ってどかしてる人も居て、思わず目を剥いちゃったぜ。無理、無理、無理。


街の入り口には武装した兵士?騎士?の人が数人待機していて、身分証を確認。

入場料は……ふんふん。そこまで高くなさそうなのは、良かったな。


結構ものものしくて緊張しちゃったけど、木札を見せたら逆にビビられた。


「アストラ村!?生き残りが居たのか!!」


とか驚かれてしまったのは、一体何が何だか?なんだけど。

それにしても、めっちゃ物騒な言い回し過ぎんか?


「君たち2人だけかい?」


「移住希望者かな?」


「でも今はちょっと時期が悪くてね」


と申し訳無さそうに言われて慌てて否定する。


「あのっ!別に俺らの村ってば、特に何ともなってないですし!確かに都会目指して旅立った奴らは帰って来て無いですけど、うちの村は特にどうもなって無いです!」


何か勝手に村が壊滅したって話になってて慌てて訂正する。


「結構前から、村に行商人は来なくなっちゃいましたけど。自給自足で何とかやってます!…俺らは最近成人したんで、グレンが行商を始めようかって言ってて…自分はその護衛でこの街まで来ました!」


当然、用事さえ終われば帰りますがな。

規模はでかいけど、こんな臭い街に住むとか、マジ無理!

正直、こんな所に長居する気持ちはさらさら無いんで。

勿論、2人の総意である。


「…壊滅、してない?」


「そんなまさか…」


「しかし君らのその格好…最低限の物を持ち出して逃げて来たのでは無いのかね?」


まあ、荷馬車はそもそもあの村には無いし、行商と言いつつ俺らが持っているのは一見粗末な小さな腰袋のみだからなぁ。


訝しげな警備の人達に慌てて言い募る俺とグレンは、ちゃんとこれがアイテバッグで、色々中に物が入ってます!って説明した。


この中には村で採れた作物とか、村人が売りたいって言ってた手作りの物とかが、沢山詰まっている。


行商が来ていた時には結構人気商品だったんだぞって、鼻息ふんふんで言ってた奴とかも入ってるから明日、出来れば卸したい。


取り敢えず今日は、商業ギルドへ登録して、久々に安心して宿の中で寝むりたいんですって話をした。


…明日以降は村に必要そうな物を仕入れて、早々に帰りたい…とまでは言わなかったけど。







———……誤解は解けたが、そこで俺らは衝撃の事実を聞かされる事になる。



まず、来る途中にあった廃墟の群生は、ここ数年で起こったスタンピードによって壊滅した村やら町やら街だった物だそう……え、俺らそんな騒ぎがあた事すら、知らないけど。


規模的に、俺らの村も被害に合ってなきゃおかしいとかって言われたけど、魔物を見る機会もそうそう無かったんだけど。


偶に父さんが見回りで狩って来る位。

因みに、俺が狩ってた獲物は全部、野生動物だったし。


「俺らその村で、平和に暮らしてましたね」


…そんな“解せない”って顔されても。

知らんもんは、知らん。としか。




で、次に父さん作の魔道具の数々な。


父さんは“趣味”とかって言って簡単に色々作っていたけれど、マジックバックを自作出来る人間の報告は国どころか、世界を探しても父さん以外いないんじゃ無いだろうかって。

いやぁ、マジ驚愕の事実って奴?

是非、それらも出来れば取引したいとかって言われた。


普通はダンジョンに居る、上級魔物からしかドロップしないんだって。

しかも、滅多に落ちないアイテムらしい。

めっちゃ、羨ましがられた。


へぇ〜…いやまあ、あったら便利だけど。

そんなに凄いものだったなんて初めて知った俺らです。


そんな興奮気味なお兄さんに対して、2人してぼへ〜〜…って聞いてたからか、“何か頼りないな”って思われたらしく。

門に居たお兄さんに付き添われて、商業ギルドに登録しに行きました。

うん、何かすんごい始終、面倒見てくれたよ。

今日泊まる宿まで紹介してくれて、めっちゃ助かった!


「お父さんに、是非打診してくれよなっ!」


って期待されてたから、少なくともあの人の分は作って貰おうと思う。

凄い、お世話になったし。

ちゃんと名前も聞いた。ジャックさんな。



取り敢えず、その日は2人共疲れてて、早々にベッドへ入ってバタンキューしたけど。


「…え、うちの父さんって、実はめっちゃ凄い人だったりするんだろうか……」


「…想定外な展開過ぎるよねぇ〜〜」


———…いつ、寝落ちしちゃったかは分かんないけど。

寝る前にそんな話をグレンとポツポツと話してた…気がする?

その日はいつの間にかぐっすり寝入っていて、翌朝は元気に買い物三昧を満喫したのでありました!グレンが。


俺はスリを何件か撃退して、やっと護衛の本分を全うした。











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