第2話
私
中学生だった頃にお母さんが病気で倒れてからずっと。
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突然だが、私には実は兄が
お母さんが長い入院生活になると決まった時のこと。
お母さんがいない生活は不安だったけど、高校生だったお兄ちゃんは「俺たちで母さんを守ろう」って言ってくれて。
”これからは兄妹二人で頑張っていこう。”
そう思っていたのに―――――――――――
お兄ちゃんが家を出て行ったのは、その数日後のこと。残されていたのは、「ごめんな」と書かれた紙切れだけ。
しばらく体が動かなかった。
驚きとか怒りよりもまず「なんで」って。
まだ携帯は持たせてもらっていなかったし、お兄ちゃんの電話番号を覚えているはずもなかった。
隠れてるなら出てきてよ。「ドッキリだよ」って言って笑ってよ。何度もそう願った。
「お母さん、どうしよう…私、1人になっちゃったよ、」
1人で住むには大きすぎる家の中で、自分の声だけが虚しく響いていた。
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