いまこそエッセイ

老木 椒

今、エッセイを書いてみるということ

 今の時代、誰もが自己発信をするようになった。誰でもSNSに思ったことを書く。SNSに話題作が面白かったとでも書けば、その感想を見た人がいないということはないだろう。作成の手間は大変なものであると思うが動画という媒体もある。文字に音声、映像まで加わった情報量の化け物である上に、一度再生すれば受動的に情報が受け取れる。


 SNSを使っているとすぐに大量の情報が、沢山の人の意見が目に飛び込んでくる。日常まで流れてくる。そんなことどうでもいいよという情報まで頭に叩き込まれる。これは疲れる。動画では、ただですら情報量が多い媒体であるのに動画サイトが次から次にと動画をおすすめしてくる。そして再生をクリックすれば、ぼーっとしていても新しいことが頭にインストールされる。これも疲れる。


 その様なみんながみんな自己発信をするネットから逃れたい。だけども私も一介の人間なので、自己発信をしたいという願望がある。人里離れた場所で暮らしたいが、毎日人と遊びたいといったような矛盾したわがままだ。こんな歪んだ願望が叶う方法があるのだろうか。そんな時にエッセイを見つけた。


 あくまでネット上のものであるため、紙のエッセイよりは気軽かもしれない。それでもSNSよりはゆっくり読む必要性があり、能動的に読まなければ頭に入ることもない。そもそもこのページが開かれるまでにかかる手間はSNSの比ではないはずだ。良い意味で情報を取り込むための力が必要で、スローペースな発信だ。 読む手間がかかるということは、情報の受け手が自分のペースで読めるということであると思う。これだ!と感じた。


 ここまで読んだ時点で、こいつの文章読むのめんどくさいなと少しでも思っていただけていると幸いだ。それは手間がかかり、能動的に頭を動かしてもらえたということであると思うので。「今の発信法」に疲れた人にこれが届くと嬉しい。

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いまこそエッセイ 老木 椒 @HouhouKanpa

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