まだ遠い言の葉へ

NiceWell

第1話

いつからか

遠い世界を夢見ている

ただ一人でいいから

それでも遠くへ向かっている


いつからか

涙を超えて

波に満ちた海が出来た


揺蕩うさすらいに

足を取られ

枯れゆくままに

涙は消えた


この辺鄙な声で

誰が振り向くかと

遠くを見て


また再開するのは

いつもの孤独


いつからかそうして

誰かの中に留まることをやめて

一人でいいから休んでみたかった


忙しない社会に比べれば

きっと浅ましい行為だろうが

それでもそこに僕は居るのがどこか苦しかった


本当の声を

本当のように受け止めて

それさえ誰もが辺鄙に思われ


いつからかそうした隔たりに

苛まれ

やはり誰かを受け入れることが怖くなった


誰かがいれば

誰かになってしまう

そんな変わっていく変化におじけてる


僕はまだ僕を知らない

だからいつかその時まで待っていてほしい


いつか社会に向けて歩くから

今だけは幸せだと居させてほしい


それが些細な願いだ


渡り半半世紀くらいを生きた

僕の今なりの精一杯だ


では、また

いつか世界のどこかで

世界と共に歩き出せる日が来ると

切に願っている


なんて、まだ他力本願だけど

それさえ、超えて

自ら歩き出す


だから足を止めているわけではないと

ただわかってくれ


まだ僕はこれでも進んでいる


進んでいるんだ。


ではね、いつかの未来で

君と歩けたら、確かに誰かといる幸せに気づけるのだろう


それまでさよなら。

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