~孤独の銀杏~『夢時代』より冒頭抜粋
天川裕司
~孤独の銀杏~『夢時代』より冒頭抜粋
~孤独の銀杏~
虚無に巻かれる群像(ぞう)の在り処を幻想(ゆめ)の一(いち)にて軽く跳び越え、明日(あす)の孤独を滔々嘶く幻想(ゆめ)の剣(つるぎ)を宙(そら)に見取れた。個人(ひと)の叫喚(さけび)を咽びと見紛い虚無の個動(うごき)にその実(み)を探れば、幻想(ゆめ)の平(たいら)を真向きに表す不相(ふそう)の正義の興味に想われ、飛ばず語(がた)りの未活(みかつ)の小敗地(アジト)で成人(ひと)の鳴く音(ね)は温度を識(し)った…。虚空(そら)を見渡す人間(ひと)の一界(かぎり)は未屈(みくつ)を手に取り計算しながら、人間(ひと)の自主(あるじ)を会計して生く世迷(よまい)の総理(すべて)を未信に睨(ね)めた。白亜(しろ)い衣(ころも)が宙(そら)に在りつつ無類を与(あず)けた自覚(かくご)が富むのは、〝不渡り〟ばかりが人間(ひと)を彫り込む虚無の主宴(うたげ)をぴたりと留(と)め生き、未審(みしん)の自覚(かくご)に勇気を仕留める未亡の思乱(あらし)がその実(み)を貫(ぬ)いた…。虚無の主宴(うたげ)に虚構が咲き生く旧い自覚(かくご)は大胆とも成り、不通の迷路を宙(ちゅう)に投げ込む未活(みかつ)の一幻(アジト)は孤軍に踏ん張り、透明箱(ガラスケース)にその実(み)を射止める不利の進度(しんど)は人間(ひと)をも腐らせ、夜半(よわ)の眼(め)に降る不応(ふおう)の態度は〝酒乱〟を想わす無頼に立った。幻想(ゆめ)に繋げる無活(むかつ)の遊歩は界(かぎり)に認(みと)めぬ空間(あいだ)を見定め、不義を相(あい)した人間(ひと)の一定(さだめ)は無頼に寄らずに空慮(くうりょ)へ寄った…。純白(しろ)い巨体(からだ)に呼吸(いき)を吹き出し未盲(みもう)の小敗地(アジト)に寸出(すんで)を突くのは、男女(ひと)の〝乞食〟にあわよくばを観る人間(ひと)の無活とほとほと似て居り、世迷言から不乱を見定(さだ)めた未知の旧巣(ふるす)を交換するのは、幻想(ゆめ)の輪廻(ロンド)の展望から観て孤独の総理(そうり)と相対(あいたい)して在る…。…無知に阿る最初の主宴(うたげ)は旧い「夜道」の彼処に遣られて、一幻(ゆめ)の一夜(とばり)に一人(ひと)が損なう旧来(むかしかぎり)の曇天(そら)に生くのは、広い角(かど)から化粧を施す幻想(ゆめ)の未活の坊主であった…。宙(そら)に乞われる無心の相図(あいず)は倦怠気取りに「初歩(はじめ)」を識(し)りつつ、不理(ふり)を相(あい)して不毛に尽(つ)きせぬ白亜(しろ)い人煙(けむり)は八頭(おろち)を牛耳り、幻想(ゆめ)の小人(こびと)をその掌(て)に観るのは「夢幻(むげん)」の辺りの孤踏(ことう)に在った…。地味に訝るmonkの女宴(うたげ)が小宙(そら)に差し込む不装(ふそう)を相(あい)して、男女(ひと)に亘(わた)れる旧い翁(おきな)は「孤独」に眠れる理知を通させ、明日(あす)の孤軍にその実(み)を与(あず)かる旧い小声(こえ)には真面が拡がり、一幻(ゆめ)の独気(オーラ)を常に差し込む人間(ひと)の哀れを確築(かくちく)して居た…。蒼い精華(はな)から感覚(いしき)が漏れ出し幻想(ゆめ)に差し込む感覚(いしき)の通りは、無駄を匂わす旧い陰りと美味に想える旧(むかし)が拡がり、虚無に跳び込む虚空(そら)の敏(びん)には「夢中」に置き去る夢想が発(た)った…。旧(ふる)びた景色を人体(からだ)に観守り安い童(わらべ)の動揺等には、現行(いま)に始まる「旧(むかし)の景色」が停止(ストップ)したまま傍観して居り、幻想(ゆめ)と虚無から身活(みかつ)を想わす〝柔軟・気取り〟が易々(やすやす)在った…―――。幻(ゆめ)の頃から旧(むかし)を携え大海(うみ)の具体(からだ)に様子を添えても、俗世(ぞくせ)の人間(ひと)には嫌悪を好(よ)く観て精神(こころ)の憎悪を募らせ始めた。無言の憎悪を憶える両眼(まなこ)は無心の最中(さなか)の俺を数えて、俺の真傍(まよこ)に数珠に繋がる無音の同調(シンパ)に相当して居り、乱心(こころ)の遥かを対岸(きし)に添え生く「不毛」の震度の成れの果てには、華厳に名高い身欲(よく)の両眼(まなこ)の強靭(つよ)い激動(うごき)に追随して生く…。人間(ひと)の文言(ことば)に旧(むかし)を携え旧い独気(オーラ)を得手に採る内、幻想う(ゆめ)に纏わる不覚の衝動(うごき)は白亜(しろ)い百足を上手(じょうず)に取り添え、一心(こころ)の果(さ)きから苦労を燻る夜の成果(はて)から精気を観たのは、旧来(むかしながら)の時訓(じくん)の空間(あいだ)の「安い譲歩」に好(よ)く好(よ)く似て居る…。一女(おんな)の気色を一心(こころ)に留(と)め置き旧い文言(ことば)を暗(やみ)に放るは、幻想(ゆめ)と一心(こころ)の淡い最中(さなか)の「通せんぼ」をした女性(おんな)に似て居り、白亜(しろ)い景色を御供に棄て置く身笠(みかさ)を過ぎ生く天の労苦は、一人(ひと)と同じに夜霧に培う純白(しろ)い気色と同じに在った。旧来(むかしから)観た孤狼(ころう)の両刃(やいば)は究極から見た精神(こころ)に赴き、漆黒(くろ)い躾にその実(み)を贖う気楼の進化へすっかり萎えた。未信に揺らめく漆黒(くろ)い界(かぎり)は暗(やみ)の孤独を悠々阿り、幻想(ゆめ)に阿る脆弱(よわ)い安堵を人体(ひとのからだ)に重々置き換え、旧い景色は具体(からだ)を通せる不頼の義理からずんずん死んだ。過去の萎えから「不毛」が綻び夜目(よめ)の景色に欠伸を識(し)るのは、幻想(ゆめ)と精神(こころ)の届かぬ間(ま)に間(ま)に孤高の正義に駆逐され活き、補導を独歩(ある)ける脆弱(よわ)い従順(すなお)は、夜半(よわ)の許容(うち)へと巣立って入(い)った。過去の孤独を感覚(いしき)に捨て置き〝幻想(ゆめ)の未完(みじゅく)〟を肝に解(と)くのは、翌朝(あさ)に目に降る「七つの正義」に表情(かお)を表し、精神(こころ)の進途(しんと)を防御して生く無痛の歪曲(ゆがみ)に程好く入(い)った…。白亜(しろ)い宙(そら)から一体(からだ)が萎え生く補導の内には五体が現れ、旧い規律(おきて)をごまんに数える無数の日(ひ)の粉(こ)は「俺」に懐いて、夏日(なつび)の景色を人間(ひと)に宿せる浮遊の丈夫は雲母を識(し)りつつ、不応(ふおう)に耐え抜く〝夜半(よわ)の信徒〟は一界(かぎり)に落ち着く夢想を射った…。一幻(ゆめ)と乱心(こころ)に生命(いのち)を宿れる茶色い気色が夜半(よわ)へ訪れ、幻想(ゆめ)の頃から不頼に愛する未知の既憶(きおく)は無重に成らされ、幻想(ゆめ)と乱心(こころ)の宙(そら)に解(と)け生く不能の孤独は、小人(ひと)に耐え貫(ぬ)く脆(よわ)い進度(しんど)の「幻(ゆめ)と心の祭(まつり)」に小さく頷き、翌朝(あさ)な夕なに我儘だけ見る〝醜い小男(おとこ)〟の感覚(いしき)を採った。幻想(ゆめ)に放れる不頼の小敗地(アジト)は既知の白砂(すな)から自然(あるじ)を掴み、旧い躰を「頃」に目にする不活の従途(じゅうと)に不乱と在った…。「無論」を呈して直ぐさま閃き、「永久(とわ)」の流行(ながれ)は喫するけれども、幻想(ゆめ)の夜半(よわ)から流れる「景色」は朧気(おぼろげ)ながらも身屈(みくつ)を達する。不要に息衝く「荊(いばら)の四季(きせつ)」は、無用・見真似で自分を象り、安い形成(かたち)にその掌(て)を拡げる無給の撤廃地(アジト)を照覧させた。真白(しろ)い四季(きせつ)に按ずる幻想(ゆめ)には未屈(みくつ)の辛苦が揺ら揺ら蠢き、緩い〝網羅…〟が突き出る瓶(かめ)には余程の苦心が重厚でもある。身震い程〝夜半(よわ)の一界(かぎり)〟は一体識(し)り付け「身の程」まで知り、脆弱(よわ)い「奇跡」を目下(ふもと)へ畳める老婆の戯言(ことば)を鵜呑みに呑んだ…。「肝心成る哉、旧い正義は孤独に襲われ、悪しき行儀を不快に擦(す)るのは一向経てない難儀に似て居る…。不倖を背負(しょ)い込む〝紛れの信徒〟よ…、了(おわ)り無き世を浮世に見定(さだ)めて迷う事から逃亡した儘、一幻(ゆめ)の夜半(よわ)から避け生く〝進歩〟は何処(どこ)へ独歩(ある)いて〝結び〟を観るのか」。器用を衒える若い娘は宙(そら)の彼方へ往来した儘、幻想(ゆめ)の縋りに本能(ちから)を観て生く旧い遊戯を難儀に変えた…。精神(こころ)成らずの不倖の界(かぎり)は身欲(よく)の無い儘「向日」に見舞われ、「旧(ふる)き善き夜(よ)」の未開の空間(あいだ)は駆逐されぬも「破戒」を牛耳り、明日(あす)の為へとその実(み)を締め出す未解(みかい)の主(あるじ)を割包(かっぽう)して居た。
*
洗礼の園の時の、医務に居た未完(みじゅく)の小母はん、天然熟女の浮気な色女(しきじょ)、又、一風変って中森明菜とその友達(この友達は俺から見て全く知らない他人の女、良く有り勝ち)が出て来た。俺はこの医務のメンバーを前にして居る。小母はんを先頭にし、出て行った時、何故、化粧品(書くやつ)を買いに行かなかったのか…?!と言う事を、顔や光景は穏やかなれど、結構、強く、皆の前で辱めを受けさせようとするが如く、鬱陶しい程、言って来た。
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~孤独の銀杏~『夢時代』より冒頭抜粋 天川裕司 @tenkawayuji
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