第17話 事件

 ここ、どこですか?暗い…ていうか目隠し?口にも何かある。喋れない…


?「やっと起きたかい?」


「んーんーんんー!」


?「あんまり喋らないでおくれ。殺したくなるから」


「!?」


 誰この人!て言うかもしかして僕やばい?手足も縛られてるし行動出来ない…。もしかしてレベルを奪う人!?僕殺されちゃうのかな…ケルトさん…助けて…



「やっぱ居ません!」


「こっちも姿は見えません」


「あー全く何をやっておるー…」


 どうする。確実にやばい。イリウスはきっと攫われておる。だとしたら狙いは我々。そのうち向こうから行動があると思うがあやつも能力者。殺されていてもおかしくない…かくなる上は!


「ケルト!鼻を使え!」


「ま、マジっすか?あれやるとちょっとなんて言うかその…」


「緊急事態だしお主の責任だろうがぁぁ!」


「わ、分かりましたよやりますよ。やれば良いんでしょ全く…」


 これ使うとしばらくツーンとするんだけどな…仕方ねー。

 ケルトは本気で鼻を使うとこの街一帯の匂いを辿れる。もちろんイリウスの匂いも分かる。が、それ以上にこの街全ての匂いがケルトの鼻に入ってくる。負担が掛かるのは分かっているが仕方あるまい。


「スーハー、ゲホッゲホッ!居場所、分かりました!着いてきてください!」



?「リーダー、こいつ何も知らないみたいっすよ?電話番号ですら…買い物してた所連れて来ましたが持ってるのは買ったもんと金ぐらいで」


「そ、まぁこの子が大事ならどうにかしてでも来るでしょ。来たら俺らにレベルを渡すしかないしね。あいつらがちょっとでも拒んだら痛ぶっちゃおうか〜」


 この人達誘拐犯だ!しかも多分能力者。神力使って縄解けないかな…やってみるしかない!

んーしょっんーしょっ。

ダメだ、解ける気がしない…そういえば能力って…

もし能力が使えたらどうにかなるかもしれない!お願い僕の体!能力の使い方教えて!

うえーんどうにも出来ないよー


「イリウス!」


ケルトさんの声だ!助けに来てくれたんだ!


「おいてめーら!イリウスを今すぐこっちに寄越せ!そうすりゃ命だけは助けてやらんこともないぞ?」


「やっぱり来やがったか」


「それはこっちのセリフだよ。この子が大事だから来たんでしょ?返して欲しいんだったら、分かってるでしょ?さもないと命が助からないのはこの子になるかもねー?」


「ちっ。分かった、だがそいつが本物のイリウスか分からねー。目隠し取れ」


「はいはい」


 う、眩し。ケルトさん!来てくれたんですね!僕嬉しいです!


「むぐむぐむぐー…」


「レベルだろ?んなもんくれてやるよ」


「ちょっと待ちなさいよwそこに残りの2人も隠れてるでしょ?分かってるんだよそういうの。その2人も渡しなさい。さもないとっ」スパッ


 え、今スパって…痛い!何、腕から血が出てる!この人ナイフ持ってるし!うえーんケルトさん助けてー


「やめろ!分かった差し出すから変なことはするな…」


 え?みんな居たの?ていうか何で早く助けてくれないの?みんなそんな手出して…あれ?みんなの神力が見えない。何で?みんなの手のひらに星のマークが浮いてる…もしかしてレベルの譲渡って…絶対ダメー!


「むぐむぐぅ」


「こらこらそんな暴れないの。ナイフ刺さっちゃうよ?」(ま、どの道殺すけど)


「とりあえずレベル受け取っちゃいましょうよ…」


「それもそうだね」


 うぐぅ…あ、あの人ナイフ机の上に置きっぱなしだ!これなら神力で持ってくれば。

んーしょっんーしょっ。

これで解いて…いや、間に合わない!なら


グサッ


「いったーーーーーーい」


「ちょっリーダー大丈夫っすか?」


(チャンスか!?よくやったイリウス!)


「まさかあんたも能力者だったなんてね。でもやっちゃいけないことをしちゃったね」


(?)


           ゴンッ


 え?今何の音が?すごいにぶいおとがきこえれきれ、あへ?しかいがゆがんで…のうりょく?なにこへ?


「イリウスー!くっそこいつ呪い使いか!」


「あらあら可哀想に、頭にあんな大きな岩が落ちてきちゃったら死んじゃうね〜」


「…るせー」


「えー?」


「うるせー黙って死ね」


リーダーとやらの首が飛ぶ。


「ひ、ひえー俺は騙されてただけなんだ、どうか命だけでも…」


「悪いが、俺らに命乞いは意味がないぞ」


誘拐犯は巨大なハンマーによってペシャンコになる。血飛沫が飛び散り辺りの床はヒビが入っている。

         その瞬間

 ドカーンと大きな音が鳴る


「何だ!?急に天井が爆発しやがった。このままじゃ建物ごと崩れる!」


「イリウスを連れて撤退だ!」


「ダメです!結構やばい出血…逃げてる間に死んじまう!」


仕方ねー、やるしかねーか。俺は静かに刀を取り出し手首を切った。


「実験ならいくらでもやった、平気だ」


俺の血がイリウスの口に入っていく。少しでも量をオーバーしたらこいつは…。


「危ない!」


ケルトさんの頭上に降ってくる岩をバクが能力で砕く。


「あ、すみません」


「良いから怪我の治療に専念しろ」


んー?ここどこ?空に星がいっぱいある!ていうか石が降ってきてる…チクチクする…何か口に入ってきてる…ドロドロしててあったかい…味は…知らないな…


「意識が戻ってきたな!もう平気だ!ご主人様

、逃げますよ!」


とりあえず問題なく外に出れたな。いやー何とかなって良かったぜ。


「んー。ケルトさん?は!僕捕まっちゃって!それで…それで…?」


「別に覚えてなくていい。すまねーな。怖い思いさせちまった」


「我々にも謝るべきだと思うぞー」


「すんませんでしたー」


全く其方はとかバクが言ってる所を見て安心した。誘拐された所までは覚えてるんだけどなー。


「あ、そうだ!僕買い物出来たんですよ!」


「おー!やっぱおめーはすごい奴だなー!流石は俺の子だぜ!」


頭を撫でてもらえて結果的にオッケーだったのかな

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