【カクヨム10短編参加作品】クズ!自殺により入れ替わった伝説の不良は今の虐めに戸惑う!

石のやっさん

第1話 沢木竜生

俺の名前は沢木竜生、まぁ自分で言うのも何だが本当の「悪(わる)」だ。


他の奴みたいに「俺は悪く無い」なんて言わない。


やっている事は「悪い事」そんな事は自覚している。


「悪」になりたくてやっているんだから、「悪く無い」なんて言わねーよ!


ただ、俺には俺の誇りがある。


それは素人には手を出さないことだ。


当たり前だろう? 素人は別の世界の人間なんだ、手を出しちゃ駄目だろう?


クズはクズなりのルールがある。


不良は不良の中で生きていれば良いんだよ......解りやすく言えば、狼は狼で噛みつき合えば良い。


ウサギなんかに噛みついても、「何も自慢になんねーよ」



そこの線引きだけは守らないといけねーんだよ!


勿論、俺もそのルールだけは守っているぜ......そうしないと直ぐに警察沙汰だからな。


今日もせっせと喧嘩に明け暮れていた。



「しかし、竜星さん強いっすね! あの山神が詫び入れるんすから!」



「お前な! 彼奴が弱いんじゃねぇ―よ! 俺が強かっただけだ!」



俺は山神とタイマンを張って戦利品としてバイクを奪ってきたのでそのまま舎弟の浩二と乗り回していた。


勿論、免許は持っていないが捕まんなけりゃ問題は無い。



「竜星さん、半端ないっすからね! 喧嘩が強くて面の良い彼女まで居るんだから羨ましいっすよ!」


「女なんて簡単だろう? お前だって根性ありゃ簡単に手に入るって、大体俺の彼女だってその気になればお前だって手に入れるチャンスはあったんだぜ」



「嫌ですよ俺は、顔をカミソリで斬られるなんて怖くて喧嘩出来ません」



「情けねーな......俺の舎弟が何で怖がる訳......女の不良は直ぐに二枚刃かチェーンを使ってくるが、それだけだぜ? 顔に一生残る傷をつけられる覚悟があれば、大体勝てる。その後はもう自分の者に出来るんだからやってみる価値はあるだろう?」



「いや、俺は遠慮しますよ......翔子さん手に入れる為に、竜星さん顔二か所も斬られたじゃないすか」


「まぁな、その代わりその場で犯して、背中に「沢木竜生の女」って大きくナイフで刻んでやったからな......これでもう完全に彼奴は俺のもんだ、安い買い物だ」


「いや、顔をカミソリで斬られて血が噴き出した状態で女なんか抱けるの竜生さんだけですって」


「本当に根性ねーなっ、それだけ我慢すれば抱き放題の女が出来るんだぜ!しかも翔子は1人暮らしだから何時でもやり放題、まぁ面も良いからよ出来ちまったら嫁にするかもしれねーけどな」


「そういう所は意外に硬派っすね」


「まぁな」



この翌日竜生は死ぬ事になる。

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