第2話

ある研究者は、夢を見た。




それは、まるで別世界。




辺り一面、真っ白な霧の中。




雲のような、ふわふわとしたものが漂う。




金色の光を放つ者が、そこにいた。




神々しく神秘的な輝きを放つその者は、いくら目を凝らしても姿を見ることができない。






これは……一体……?





研究者は不思議な霧の中で、呆然としていた。




そして、不思議な声を聞く。











『人間に与えられた未知の力を



今、ここに解き放ちましょう。



あなたが



その手助けをするのです。



ただ、一つだけ言っておきます。



長く封印されてきたこの力を



どう使うか……



それは、あなた達次第。



全ては



あなた達人間が決めるのだということを



忘れてはいけません』









研究者は夢から覚めて、しばらくは放心状態だった。




一体何が起こったのか……。




わかるのは、妙に身体が熱いこと。




溢れる力。




研究者は、自分を神の言葉を聞いた神の意志を受け継ぐ者だと信じた。




そして、研究に明け暮れた。




自分を実験台として。











それがすべての始まりだった。

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