もし許されるなら月光の下で

揺月モエ

プロローグ

私がその物語を知ったのは十の時だった。


その物語の主人公は私と同じく月の姫。


その姫は月で罪を犯し、地上に流される。


そして地上で彼女は優しい老夫婦に育てられ、成長する。


美貌を聞きつけた者から沢山求婚されるが月の者が迎えに来てしまう。


そして老夫婦を置いて帰ってしまう。


この物語は本来、月の都では読めない。


そうこれは、こっそりやって来た地上のお姉さんが内緒でくれたのだ。


そして私は地上に憧れを抱いた。


だから、これから地上に行きますっ!

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