第25話 窓の落書き②

 全従業員を対象としての筆跡確認としているが、今まで半ソデ君は幾つも問題を起こしている。それだけに、いつも挙動は怪しく、正常かどうかは判断出来ない。


 半ソデ君の順番となり、ゆっくりと書き始めるが、「はよ」の2文字で動きは止まる。


 窓の落書きと比べれば、少し似ている気がする。だから、動きが止まってしまったのだろか?


『どうした、何かあったか?』


「えっと、えっと、えっと」


『何か心当たりでもあるのか? 何でも言ってくれ』


「スマホ使って調べてもイイですか?」


 そう、半ソデ君は漢字の「死」が書けなかったのだ。スマホで調べなければ書けない漢字を、わざわざ調べて落書きするだろうか? そんな理由で、半ソデ君は関係ないだろうと思う。


『分からなかったら、平仮名で書けばイイ!』

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