第11話

「4月の始業式に撮ったやつだよ。

クラスの集合写真」




「あぁ、なるほどね。

あの写真ならまだ実物の方が良く見えるよね。

でも、あの写真を見て僕に会いたいと言うのがよく分からないよ」



小塚のその言葉は、

謙遜なのだと思う



あの写真の彼も、

今目の前に居る彼も、

とても綺麗な顔をしている



周りに言われ無くても、

彼自身その事は分かっているだろう





「俺はもう帰った方がいいかな?

なんか邪魔みたいだし」



愛は茶化すように、

私にそう言った





「お兄ちゃんもう帰ってもいいよ。

居ても邪魔だし」



思っている言葉とは別な言葉を告げる



愛、帰らないで…

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る