Gemxect × ゲノセクト

田村ひさし

第1話 国家機密

「ふぁ〜ぁ、」


のんきにあくびをしたのは16歳、高校1年生の新井康文あらい やすふみである。

今日は日曜日、康文は最後の休日を堪能しようとしていた。しかし、母親に呼び止められる。


「ねぇ康文〜!!」


「なんだよ〜」


間抜けな返事をして階段をそっと降りる。

それは康文宛ての手紙であった。赤い封筒、黒いシーリングのされた何とも不気味で縁起悪いカラーリングの手紙だった。康文は緊張しながら部屋へ戻り、手紙を読む。


「えぇっと...なんだ?、Gemxect...Cell?」


(読めない...なんだこの英語...なんとか細胞?)


英語に手こずりながらも読み進める。そして康文は、ふと最後の一文に目がいく。

そこには「国家機密」の4文字と、「くれぐれも口外しないよう …」

という文章が見えた。思わず驚き、後ずさる。


「は?…なんだよこれ...い、いたずら!?いやぁ、ここまでちゃんとした内容で嘘ってことはないだろう...」


その手紙には、しっかりと住所や番号、詳しい概要が書いてあった。

それを信じて書いてある場所へ行ってみることにした。



続く

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