第2話
「お久しぶりです、柚希さん」
「……貴央、くん?」
「はい」
「……」
──それは実に10年ぶりの再会だった
私、
私には10歳下の弟、
出逢った時、貴央は4歳だった。
その時中学2年生だった私は貴央のことを弟の仲のいい友だちという気持ちから弟同様可愛がった。
学校行事を観覧したり、日常生活の中でも家に遊びに来た貴央の相手をしたりと三人でよく遊びに出かけたりもした。
そんな関係だったからか次第に友だちの姉以上の好意を貴央から寄せられることになるのは自然の流れだったのかも知れない。
「僕は柚希さんが好きです」
「……え」
「今はまだ子どもだけど絶対に柚希さんを守れる大人になります。だから僕と付き合ってください」
貴央から告白を受けたのは彼が中学校を卒業した日。
貴央は悠希とは違う他県の私立高校に進学するのに伴い高校の寮に入ることが決まっていた。
そんな状況が下地にあって私に告白をしたのだろうと思った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます