第2話

「お久しぶりです、柚希さん」

「……貴央、くん?」

「はい」

「……」



──それは実に10年ぶりの再会だった



私、岸見柚希きしみゆづきと彼、古藤貴央ことうたかおの最初の出逢いは今から21年前になる。



私には10歳下の弟、悠希ゆうきがいて、悠希が幼稚園に通うようになって最初に出来た友だちがこの貴央だった。


出逢った時、貴央は4歳だった。


その時中学2年生だった私は貴央のことを弟の仲のいい友だちという気持ちから弟同様可愛がった。


学校行事を観覧したり、日常生活の中でも家に遊びに来た貴央の相手をしたりと三人でよく遊びに出かけたりもした。


そんな関係だったからか次第に友だちの姉以上の好意を貴央から寄せられることになるのは自然の流れだったのかも知れない。



「僕は柚希さんが好きです」

「……え」

「今はまだ子どもだけど絶対に柚希さんを守れる大人になります。だから僕と付き合ってください」


貴央から告白を受けたのは彼が中学校を卒業した日。


貴央は悠希とは違う他県の私立高校に進学するのに伴い高校の寮に入ることが決まっていた。


そんな状況が下地にあって私に告白をしたのだろうと思った。

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