第14話

「おまえは此処で暮らせ。そして家の事を少しずつでいいから覚え、出来るようになるんだ」

「は……?」

「此処で今までの裕福な生活を忘れ、自立出来るようになるんだ」

「自立?」

「そうだ。それまでは俺がおまえを養ってやる」

「!」

「家の事をやればその他は自由にしていい。──ただし」

「……ただし?」

「……」


一瞬、言葉を詰まらせたような表情を見せた天眞は何かを吹っ切るように数回頭を振って、そして真っ直ぐに私を見た。


「此処にいる間は俺のいうことをきくことが条件だ」

「いうことって……」

「勿論、こういう行為を俺が求めた時はおまえに拒否権はない」


そう言いながらいきなり天眞の唇が私のものに重なった。咄嗟に昼間されたキスの感触が蘇った。


(また、不意打ち!)


だけど昼間のようにすぐには離してくれなくて執拗に貪られ、そして唇を割られた隙間から舌を捻じ込まれた。


(や! ふ、深いっ)


体を捩ってかわそうとするけれど天眞はそれを許さなかった。


濃厚なキスの合間に衣服は乱され、やがて天眞の唇が露わになった胸に移動していた。


「ちょ、ちょっと!」


必死の抗議と抵抗虚しく、薄暗い部屋の中で天眞によって盛大に喘がされていた。


(なんで突然こんな展開になってんのよ!)

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