永遠に続く命
むおだ はや
第1話 金髪黄眼
「魔王…お前のせいでこんな…はあ…。 お前も俺と同じ苦しみを知れ…!!! 」
勇者たちは魔王に負け、勇者は残りの力を振り絞り魔王に呪をかけた。そしてそのまま息絶がえたのだった。だが魔王には変化は見えず、その抗いも徒となってしまった。
勇者が負け、魔王軍の手によって世界侵攻は一気に進んだ。だがある国の王が魔王に殺されかけ、そこで国王はとある交渉を持ちかけた。
「魔王よ、あなたの願いはなんだ。 この国を、民を救いたいんだ。 どうか頼む、なんでもすると約束をしよう。 」
魔王は少し考えた後
「では…金髪で黄眼の人間を連れてこい。 そうすれば、すべてを壊すことを停止してやろう。 」
「っ!それは…」
「なんだできないのか? なら…」
「わかった! その要求を…のもう。 」
金髪黄眼、それは1000年に一度しか生まれない奇跡の子。その人間は特殊体質で様々な能力があると噂されている。
そして金髪黄眼が生まれれば世間で注目されるが、最近そういった情報は一切入っていない。それは魔王も知っていて、もはや『絶望』以外の言葉が見つからなかった。
「王よ、なぜあんな無茶な要望を…」
「聞くしかなかろう。 それでなければもう希望がちっとも見えなくなる。 」
「…ですがどうするおつもりですか? 例え金髪黄眼の人がいたとしても、その人の命の保証が…」
「…結果がすべてとは言わない。 が…やむを得ない場合もある。 その人の命が魔王によって奪われたら、私も責任を負うつもりだ。 」
「…期限は1週間。 我々も全力を尽くします。国を、民を…世界を救うために。 」
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期限最終日_
「…おい、国王の姿が見えないようだが。 誰か理由を言え。 」
すると城の兵隊が答えた。
「こ、国王は只今こちらへ向かっている模様です。 なのであと少しだけ待っていただけると…」
「…わかった。あと少しだけだ。 それ以上はないぞ。 」
「…はっ」
すると国王が部屋に入ってきた。
「大変長らくおまたせさせてしまい申し訳なかった。 」
「謝罪は結構。 それよりも…」
「金髪黄眼の子を、連れてきた。 」
「!? おい、どうやって…最近は生まれてこなかったはずだぞ…もし偽物のようなことがあれば…」
「正真正銘だ。 そこは安心してほしい。入ってきてくれ。 」
すると部屋に、金色の長い髪、金色の綺麗な瞳をした少女が入って来た。
「…お初にお目にかかります。
ジアーロ・シュルティと申します。 」
すると魔王が少女に近づき偽物かどうか調べ始めた。だが偽物であるはずもなく。
「…確認した。 ではこの人間は…お前らは見捨てるんだな? 」
「…見捨てるつもりはない。 少なくとも、先の契約にのっとってあなたはその子に手を出すことはできないからな。 」
「そうだな…金髪黄眼の人間を連れてきたら国、そして民には手を出さない、と…確かに言った。わかった。 その契約は今から始まった。 」
「…感謝する。 その言葉、しかと受け取った。 」
「だがもういくつが条件を付け足していいか? 」
「…聞きましょう。 」
「ひとつ、この女が生きている限りはこちらに攻撃を仕掛けないこと。 ふたつ、国の離れに確か古い屋敷があったはずだ、そこをもらう。 これを再び約束してほしい。 」
「そんなことで良いのなら我々も喜んで承諾しよう。 では、その少女の事を、よろしく頼む。 」
「…ああ。 わかっている。 」
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