第十三章 おやすみなさい
寝息をたてる息子の頬にキスをした。
さっきまで泣いていた目尻に涙の跡が残っている。
初めての出来事に戸惑う、赤ちゃんのような彼をギュッとしながら慰めていた。
男になったのだと。
実感させられた瞬間だった。
私は処女だけど。
息子の変化には気づいていた。
毎夜、共にするベッドの中で。
彼は確実に成長していた。
オッパイ好きの幼子ではなく。
一人の男として私を味わい始めていたのだから。
粘つく手の平をティッシュで拭った。
生臭い匂いが男を知らない筈の私を熱くさせる。
洗面所に行き、手を洗った。
匂いを消すことに躊躇いはあったけど。
ふと、鏡を見上げると。
愛おしい天使の成長を祝う気持ちと寂しさに、複雑な表情の私が見つめていたのでした。
その日以来。
私と守ちゃんは一緒に眠ることをしなくなったのです。
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