Bullet Sword Magic Online ―怒りと青の交錯―
@LAINtyuni
第1話 プロローグ
静寂が支配する部屋の中、唯一の光源はモニターから放たれる青白い輝きだった。天条零士はその前に腰掛け、ヘッドセットを頭に装着する。
「さて、始めるか……」
彼の手がゆっくりとVRゴーグルに伸びる。日常の中では何者でもない自分が、この瞬間だけは違う世界で異なる自分になれる――それが彼にとっての救いだった。
『Bullet Sword Magic』
そのタイトルが目の前に浮かび上がると同時に、零士は仮想の世界へと意識を飛ばした。近未来の技術が生んだ、現実に限りなく近い異世界。銃と剣と魔法が混ざり合うその世界は、ただのゲームというにはあまりに精巧で、あまりに危険だった。
ゲーム内で彼が使う名前はRAGE。プレイスタイルが変幻自在なことから、仲間たちには「怒りの蛮族」と揶揄される。しかし、零士自身はその呼び名を嫌いではなかった。誰にも縛られず、自由に振る舞うその姿は、彼自身が理想とする生き方そのものだったからだ。
一方で、別の場所ではもう一人のプレイヤーが静かにログインをしていた。青と白の装備に身を包む女性――ユーザー名青雨。冷静沈着なスナイパーとして知られる彼女は、これまで数々の激戦を勝ち抜いてきた。だが、このゲームには一つだけ彼女を苦しめる要素があった。
“どこまでも予測不能な存在”
その存在こそが、これから出会うことになる天条零士=RAGEだった。
現実と仮想が交錯し、戦場と日常が溶け合うBullet Sword Magicの世界。二人の運命は、ここから始まる。
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