「また泣いた」の別れ道 改訂 いち

 どうするか、は、君が決めて良い、と、

 儚く笑う彼に、俺は、こう言った。

 

 「馬鹿、一緒に居るって、言ったろ。」


 彼は、泣いた。


 俺は、笑った。


 彼の悲願が有る、

 名旅が言った時の悲しみと悔しさを握って、

 彼の側に居ながら、逝くのか、1人で、

 そう言ったら、名旅は、身体を、

 震わせて、泣いた。


彼が来る、

名旅の父、

行 三果ゆく さんか40年前から、

計画していた箱庭物語の主人公のおわり、を、

止めるために、

始芽 はじめ そらが、来る。


 「胸をはれ、名旅」


 「全部は、胸をはれないよ。」


そう泣く彼に、微笑めば、

彼は、決意を決めて、ありがとうと笑った。


物語の主人公のおわり


それは、魔法で、主人公が、

愛した者、仲間たちであり、

友人である者たちを、

殺し、それに主人公が自殺する計画である。


計画の名前は、「箱庭主人公計画」


すべては、物語を見たいがためだった。


彼の仲間たちが、

死んだ、死んで逝った、俺たちは、

殺して来た。


 すべてはー


 「やあ、宙、良い世界だろう」


 「貴様っ!」


 すべては、ハッピーエンドのため、

 仲間たちを返すため、

 それが名旅の悲願。


 痛みの中、彼、名旅を、

 氷の光を宿しながら、

 戦っている彼の心を見る。


 その心を見ながら、

 彼の思いが叶うことを願う。


 この世界が物語じゃない世界なら、

 彼は助けられなかった、と、言い、

 それが悔しい、とも、言った。


 戦い、裏切り、だがー


 「これで、物語は、お、しまい。」


宙の刃が、名旅を貫く。

名旅は、穏やかに笑った。

それを見た宙は、警戒し、

刃を抜いて、その場から12歩離れた。


俺は、彼らの間に入る。


郵日ゆうひ

名旅は、嬉しそうにそう言って笑った。


解土地ときとちさん、どいて下さい」


「さん付けも、嬉しかった、

 今まで、ありがとう」


魔法で、俺たちの箱庭主人公計画阻止を、

叶えるために。


「それはどう言う言葉ですか」


ー俺たちは、この世を去る。


魔法を描く、今までの記憶を、

すべて。


宙は、刃をこちらに向けている中、

俺は、笑う。


「じゃあな、暖かいこもれび」


優しさをありがとう。


名旅を見れば、泣き、次に、

嬉しそうに、言った。


「何があったんだ、って、聞いてくれて、

 ありがとうっ!」


嬉しかった。


ありがとうっ!


魔法で、絵を描く





海が見える山の原っぱに、

墓が二つあった。


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