短編作品

葉っぱ

短編 「また泣いた」

「どうしましたか?」


その声を聞いた彼は、

背筋が冷たくなって、振り向いた。


じっと、見て、冷え汗が流れてきた。

物語になった、


この瞬間から。


俺は、俺の人生の主人公じゃなくなった。


「ー

 これから、よろしくお願い致しますっ!!」


その言葉を元気良く笑いながら、

彼は人々と話す。


その話し合いが終われば、彼、

行 名旅ゆく なたびの目にある、

光を見る、すると、

彼は、こちらに手をひらひらとさせながら、

人々から離れて、お別れの挨拶をして、

俺の方へ来た。


「今日も、綺麗な笑顔だったよ」

そう、毒を吐けば、彼はこちらに、

氷で出来た光を宿し、

低い声で、うるさい、と、言った。

それに笑う。

「怒り」

それに、彼は、止まった。

「少し下せたか?」

それに、彼は、涙を流した。


そして、笑って、

ありがとうと、言った。


「今日、何を食べる?」


「お前の手作りのたまごサンド」


そう言うと、また、笑って、ありがとうと、

言いながら、また泣いた。

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