第5話 李知佳
教室の1番後ろの窓際の席に座っている。
青い空に白くわたあめみたいな雲が浮かんでいる。
今日もあの人に目がいってしまう。
周りには友達がたくさんいて、どの人にも明るく挨拶する。
太陽のようにキラキラしていて、まるで王子様みたいな人。
多分、これは初めての恋なんだろうな。今までに会った中でもビビッと来ている。
茶色に染まった髪がツンツンしている。男の子なのに、まつ毛が長い。
でも、暗くて友達の少ない陰キャラの私にはきっと不釣り合い。
恥ずかしすぎて、長い前髪とメガネで素顔を隠している。自分に自信がない。
こんな貞子みたいな自分なんて興味持つわけがない。
ブツブツ呪文を唱えるように言っていると、陽キャラのメンバーたちがもうすぐ開催される文化祭の準備でお化け屋敷の話をしていた。
例のあの人が、私に近づいて机の下から顔をじっと覗いてくる。
「全然、貞子じゃないよ。みんなどこをどう見て、言ってるのさ。めっちゃ可愛いし!」
と言って立ち去った。それは期待して良いのでしょうか。
私は気が気では無くなり、頬を耳まで真っ赤にさせてロボットのようにぱたりと倒れた。
「亮、何やらかしたの?」
「別に何も?」
「
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