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 これまた卑弥呼さん本人曰く、彼女はクレオパトラとして、あのオクタヴィアヌスにより囚われの身となった後、自らをコブラに噛ませて自害しようとしたのですが、そこを(オクタヴィアヌスさん側から見た)裏切り者の手によって救われ、そのまま船で国外へと脱出。


 そして、やがて流れ着いたのが、ここ日本だったのだそうですが…


 はい、その後あらたに『卑弥呼』として彼女は、かの『邪馬台国』を中心とした倭国の女王の座に着いた、とのことです。


 あいや、時代考証も何も、めちゃくちゃでしょ…って、なになに、すぐ風呂に入るから背中を流せ、ですって?


 そういえば、そうなんですよ。この卑弥呼さんってば、2人分・・・エラい人のせいか、なおさら気位が高い上に、僕を奴隷扱いするんですよ。


 しっかし、それをウチの両親ときたら、


「うんうん、いつも仲がいいね〜」


 とかって…仲いいとか悪いとかの問題じゃないっしょ。まったく呑気な連中だわい。


 でも、なんだかんだで結局、きょうもその卑弥呼サマ・・・・・に、風呂場へと引っ張られてゆく僕なのでした。


 とまあ、そんなワガママな卑弥呼さんではありますが…が、その彼女が、なにやら窓の外を見つめながら、寂しそうにしているのを、僕は何度か見たことがあります。


 ええ、やっぱり帰りたいんでしょうね。元の世界へ。


 ただ、もちろん僕なんぞが、その方法を知るはずもなく…


 で、いままで『月刊モー』の編集長さんから、占い師さんに霊能師さん、さらに大学教授さんやSF作家の先生方にも相談しましたが、やっぱり分からずじまいでした。


「…って、卑弥呼さんッ。背中ッ…背中だけッ。前を向かないって約束でしょッ、もうッ」


「あ、そうじゃったな、すまぬ」 


 ぼぃ〜んッ…!

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