2
これまた卑弥呼さん本人曰く、彼女はクレオパトラとして、あのオクタヴィアヌスにより囚われの身となった後、自らをコブラに噛ませて自害しようとしたのですが、そこを(オクタヴィアヌスさん側から見た)裏切り者の手によって救われ、そのまま船で国外へと脱出。
そして、やがて流れ着いたのが、ここ日本だったのだそうですが…
はい、その後あらたに『卑弥呼』として彼女は、かの『邪馬台国』を中心とした倭国の女王の座に着いた、とのことです。
あいや、時代考証も何も、めちゃくちゃでしょ…って、なになに、すぐ風呂に入るから背中を流せ、ですって?
そういえば、そうなんですよ。この卑弥呼さんってば、
しっかし、それをウチの両親ときたら、
「うんうん、いつも仲がいいね〜」
とかって…仲いいとか悪いとかの問題じゃないっしょ。まったく呑気な連中だわい。
でも、なんだかんだで結局、きょうもその
とまあ、そんなワガママな卑弥呼さんではありますが…が、その彼女が、なにやら窓の外を見つめながら、寂しそうにしているのを、僕は何度か見たことがあります。
ええ、やっぱり帰りたいんでしょうね。元の世界へ。
ただ、もちろん僕なんぞが、その方法を知るはずもなく…
で、いままで『月刊モー』の編集長さんから、占い師さんに霊能師さん、さらに大学教授さんやSF作家の先生方にも相談しましたが、やっぱり分からずじまいでした。
「…って、卑弥呼さんッ。背中ッ…背中だけッ。前を向かないって約束でしょッ、もうッ」
「あ、そうじゃったな、すまぬ」
ぼぃ〜んッ…!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます