兄が妹に恋するなんておかしいだろっ!
詩樹@しき
第1話 始まり~始業式~
しまった・・・昨日も遅くまでエロゲーをプレイしてしまった・・・と、心の中でつぶやく。
「今日から始業式か~。めんどいな~、ねもいな~」
今日から高校2年生!
名門、竜ヶ崎第一付属高校に通う健全なヲタクだ!そして中二病にレイヤーさんのカメコ・・・まだまだ趣味はある!
「おっと、始業式に送れちまう。急いで席につかないとな」
ここは竜ヶ崎第一付属高校の体育館だ。
そして、なんといっても俺は
この学校のトップの成績で生徒会委員長!
代表として読まなければいけない。
「ふっ・・・そんなもんなんてものはAIに書かせておけばいい。俺って頭いい~」
「続いて。生徒会委員長、秋月 隆司」
「はい!」
「柔らかな日差しが注ぎ、春の訪れが感じられるようになりました。ここ、名門・竜ヶ崎第一付属高校に通えることを心よりうれしく思います。1年生の時には心に残る行事もたくさんありました。また、仲間と共同してミッションに取り組み、絆をより深めることができました。時には、喧嘩をして気まずくなったりすることもありましたね。一緒に泣いたり、笑ったりしたことは、今となってはその全てがかけがえのない大切な宝物です。それも今日で最後だと思うと、本当に寂しい気持ちでいっぱいです。過ごした日々を忘れずに、それぞれが自分の輝く未来を切り開いていきましょう。また、この先の1年間も色々な思い出を共に築いていきましょう」
「ふふふ。AIの文章とは誰も気づくまい・・・この後は、お決まりの校歌か~。さっさと席に戻るか・・・」
隆司はゆっくりと歩きながら席へと向かい、席に着くと軽音部の代表がピアノを弾き、校歌が歌われ、修行式が終わるとそれぞれが教室に向かった。
「いや~、表の顔を作るのも大変だ。早く家に帰ってエロゲー三昧をしたいもんだね~。今日は授業もないしな」
キンコーンカーンコーン
「えー、それでは、皆さん、明日から勉学に励みましょうね。今日はここまでです。気をつけて帰ってくださいね」
「よーし、1年の教室に行って我が愛しの妹様と一緒に帰るか~」
たたたた。
階段を下りて隆司は1年C組へ向かった。
「おーい、美咲~。一緒に帰ろうぜ~」
秋月美咲、俺のかわいい妹様だ。
「ん?おにいちゃん・・・もう、下級生のところへ来ちゃダメでしょ。それに帰る前に、これから生徒会でしょ?私も後から行くから、先に生徒会室に行ってて」
「それが残ってたか・・・仕方ない。お前も書記なんだから遅れるなよな。じゃ、先に行ってるから早く来いよ」
妹の美咲。
1年生の中でトップの成績だ。
美咲が友達に呼ばれて振り返ると、短いスカートがふわりと舞い上がった。
「おっ!今日はピンクのストライプか・・・良きかな~」
そして隆司は生徒会室へと向かいドアを開けるといきなり怒鳴り声がした。
「隆司君!あなた・・・遅いわよ!生徒会長が遅れてどうするのよ」
同じ2年A組の副会長で何かとがみがみと説教をいう一条 杏子(いちじょう あんず)
「あー、すまんな。ちょっと用事があってな・・・ん?おまえ・・・」
「な、なによ?」
「おまえ・・・今日は水色のパンツか?」
バシッ!
平手が飛んできました。
「なんで、あんたみたいのがこの学校でトップの成績なのよ!この変態が!」
唯一、ヲタクと知られている押しかけ女房みたいな杏子・・・
いつも説教を食らってばかりだ。
「よし、生徒会、始めるか。まずは部の予算を割り当てないとな。それから、風紀委員にも目を光らせてもらわないといけないな。学内で規則を守らないやつがいっぱいいるからな」
「え?そんなに規則を守らない生徒っていたっけ?」
「スカート短すぎんだよ。そりゃ先生も逮捕されるわ!」
「・・・って、それはテレビでやってる一部の先生で、いつも覗いてるのは・・・あんたでしょうがー!」
と、まあこんな感じでいつもがみがみ言ってくるやつだ。
「ほら、できたぞ。割り当て」
「って、しっかりやってたのね・・・真面目にやれば言うことないんだけれどもね」
ノックがしてドアが開けられると妹の美咲が姿を見せた。
「遅れて、すみません。あ、これね、部の予算の書類。すぐにまとめちゃいます」
「はぁ~・・・妹は真面目なのにね。なんで兄はダメ人間なんだろうね」
杏子は頭を抱えて深いため息をついた。
成績は学校で2番目の秀才で美少女。
いつも告白をされ、何人もの生徒がフラれている。
「ほら、コーヒー淹れたわよ。みんなも飲んでちょうだい。あとクッキーも焼いてきたから食べて」
と、杏子がコーヒーを飲んでいると。
「お前・・・レズか?」
「ぶーーーーー、なによ、いきなり!」
「ぶはっ!きったねぇな。顔にぶっかけるな」
「あんたが、いきなり変なこというからでしょう。なんなの?いきなり」
「いや~。毎回告られてるのにふってるだろ?今日も告られてただろ?だからレズかな~って」
杏子は口をハンカチで拭くと。
「好みじゃないのよ。ただそれだけよ」
「ふ~ん・・・結構イケメンが多い気がするがな・・・」
杏子は席に座って副会長としての仕事を始めた。
美咲も淡々と業務をこなしている。
「そういえば、風紀委員の蓮司は?」
「ああ、森崎君ね。剣道部の主将だから部活やってから見回りをするって言ってたわよ」
森崎 蓮司(もりさき れんじ)中学時代からの親友で何をやらせても優秀。
なのに、部活以外は真面目にやらないから表では成績が悪い。
「うーっす。今日の見回り完了。杏子、今日の逮捕者は一人だ」
「そうなの?誰が何をしてたの?」
「そいつだよ。教室で同人誌を描いていやがった」
全員の視線が隆司に向けられた。
「って・・・あんたねー!生徒会長でしょ・・・何やってるのよ!」
「まったく、毎回がみがみうるさいなー。夏コミに間に合わなかったら、どーすんだよ。それに先生の話もしっかり聞いてたぞ?一語一句言えるぞ」
と、隆司はふんぞり返って言い放った。
「ここにいるメンバーしか知らない一面だけど、全生徒があんたの真の姿を見たら落とされるわよ!」
隆司は昔から一度にいくつものことが出来てしまう。
なので中学時代から成績優秀、運動万能。
だが、それは表の面である。
「よし、真面目にやるか。もうじき夕方になっちまうし、さっさと仕上げて帰ろうぜ。美咲は終わったか?早く終わらせないと副会長さんががみがみ言って髪が抜け落ちてしまう。みんな困らせちゃダメだぞー」
「困らせてるのは・・・あんたでしょうがー」
バシッ!
教科書を丸めて隆司の頭にヒットした。
その後は、みんな淡々と作業をこなしていった。
「んーーーー。終わったー。今日はここまでだ。鍵閉めるから、出るぞー」
そしてみんなで校門まで向かって、そこで解散となった。
隆司は妹の美咲と一緒に帰った。
家に着くと食事の用意がされていて家族で食事をした後は隆司はベッドに横になると、そのまま寝てしまった。
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