あの日は、晴れのち曇りの天気予報だった

平木明日香

高校中退

第1話



 母さんが、死んだ。



 私にとって、その出来事はあまりにも唐突だった。


 言葉にできなかった。


 何もかも。


 信じたくなかった。


 嘘だと思いたかった。


 目が覚めたら、きっと何もかも嘘だったって、そう期待してしまう自分がいた。


 今でも思い出すんだ。


 すぐ隣に、母さんがいたこと。


 笑い合える日々があったこと。


 ——きっと、それはいつになっても。




 「みかん、朝ごはんできたよ」



 12月を過ぎて、正月を迎えていた。


 窓の外には白い雪が積もって、冷たい空気が、コタツから出たばかりの私の体を冷やす。


 つい最近まで、朝6時になったら目覚ましが鳴っていた。


 制服に着替えて、朝のニュースに耳を傾けていた。


 それが「普通」だと思ってた。


 朝起きたくなくても、起きなきゃって。

 

 学校に行かなきゃって、そう思うことがさ?

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あの日は、晴れのち曇りの天気予報だった 平木明日香 @4963251

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