「◼️」をお届けに参ります
雨宮 徹@クロユリの花束を君に💐
「◼️」をお届けに参ります
ピンポーン。ピンポーン。
「はーい、今行きます」私はインターホン越しに答える。
多分、この前頼んだ人気アニメのグッズだろう。私はつっかけを履くと玄関に向かう。
「ちわー、荷物をお届けに来ました!」
「暑い中、ご苦労様」私はそう言いながら印鑑を押す。
部屋に戻ると、早速荷解きをする。豪快にガムテープを剥がす。これよ、これ。この瞬間がたまらない。入っていたぬいぐるみを抱きしめる。よし、今日からベッドに置いて一緒に寝よう。
ブルルブルル。
バイブ音を立ててスマホが震える。画面には「荷物をお届けに参ります」とショートメッセージが表示された。え、さっき届いたんだけど。メッセージの中を開くと、こう書かれていた。
「死をお届けに参ります。到着予定時間は本日です」
死を届ける? どういうこと? 詩の間違いじゃなくて? イタズラにしてもタチが悪い。私がメッセージを消そうとした瞬間、次のメッセージが届いた。
「ただいま、最寄りの配達センターです」
ああ、イライラする。ブロックすればメッセージは届かない。私は即座にブロックした。
ブルルブルル。
またしても、バイブ音とともにスマホが震える。
「ご自宅の前です」
立て続けに次のメッセージが届く。
「現在、後ろにいます」
私は振り向くが、そこには誰もいない。怖がって損したわ。もう一度、スマホが震える。
「またのご利用をお待ちしています」
「◼️」をお届けに参ります 雨宮 徹@クロユリの花束を君に💐 @AmemiyaTooru1993
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