第2話 読書部
学校に入って2日目、おれは読書部に入っている。何故かと言うと本が好きなのはもちろんだが、小説が無料で沢山読めるってこともこの部活に入る理由だ。
(まーそれはいいんだが……)
視線をある方向へ向ける
(なんで
「ん…どうかしたのでしょうか?」
「なんでもない」
(今日も朝から眩しいな、まー読書が好きって言ってたし)
「お前は何読むんだ?」
「私は、心理学を…」
「へぇー、人を観察すること好きなんだ」
「少しですけど…」
(そこまで人と喋らないしな伊藤は、だから人のことを見て楽しんでるのか。)
「おー
(今来んなよなコイツ誤解するからめんどくさいんだよな)
耳元で
「もしかしていい感じ?笑」
「ぶっ飛ばすぞ」
冗談だ冗談だと、手で素振りをして
「はーいすみません」
「ごめんなこいつこうゆう奴やから」
「……大丈夫です。」
すごく怖がっていることが声でわかった。
「てか、2人とも部活大丈夫なの?」
「…私は今日は、自主練なので抜けてきました。」
「俺は、サッカー休みだな」
(よりにもよってお前ら2人とも休みかよ…)
少しめんどくさいが、それが僕の仕事だと思い、ため息を吐きつつしょうがないと思うしか無かった。
「そうなんだな、ここ図書館だから静かにしろよ俊。」
「わかったよ」
数時間後…
「そろそろ2人とも図書館終わるから帰ってな」
「じゃー俺彼女と帰るわ、またな俊」
「うん、またね」
(よし、伊藤さんにも言うか)
伊藤の、近くによっていく
「伊藤さん、図書館終わるから帰っ…」
(て、寝てるのか)
(こいつ、2人しか居ないのにこんなとこで寝てるってどんだけ油断してるんだよてか、こう近くで見ると綺麗な髪してるし、顔整っててこれは…)
伊藤さんに吸い込まれるように、髪に触れようとするでも手を引っこめる
「やべ、勝手に手が」
(もうちょっとで理性が壊れかけたな、良かった俺で多分他の人なら犯罪になってたなこれは)
肩に優しく手を当てて、目を覚ますまでトントンとやり続ける。
「おーい、起きろ」
「……ん」
伊藤の目が開き、すごく驚いたように飛び跳ねて、状況理解をしようとしている
「あ、あ、すみません!」
「大丈夫か、寝てたけど?」
(初めて驚く顔みたな)
「ちょっと疲れてまして…」
「とりあえず今日は、帰るか」
「そうですね…。」
図書館の鍵を閉めて、職員室まで鍵を返しに行き、下駄箱につく。
伊藤の驚いた顔を見た時の記憶が頭に染み付き、今日は眠れなさそうだなと考えながら靴を履いていると
「あ、待っててくれたの?」
「…はい」
靴を履きながら
「別に先に帰ってもらってよかったのに」
「私のせいで、涼太さんの帰る時間を遅くしてしまいましたので。」
(俺の名前知ってるんだな)
「別にいいよ、そんなに気にしないでくれ俺の仕事だし」
「……ありがとうございます。」
(少し照れてるように見えるけどまぁー違うよな)
「私はここら辺なんで…送ってくれてありがとうございます。」
「そんなんだね、また明日」
(よし帰るか)
帰ろうとしたふとした時に
「……ありがと」
(ん?なにか今聞こえたような)
伊藤は静かにドアを閉めた、何を言ったのか分からなかったが、いいやと思い、歩いていると家に帰る途中に、帰宅中の妹がこっちに全速力向かってくる。
「あ、お兄ちゃん!!」
思っきり抱きついてきて、胸があたり変な気持ちと戸惑いがあってとっさに、
「お前、キャラ変したのか?」
耳元で
「後ろに友達いるから、察して」
そう言うことかと、涼太が考え
「
「みんなまたねぇ!!」
妹の同級生が、みんな笑顔で手を振っていてそのまま玄関の扉を開きドアを閉める
「妹よどうゆう事だ」
「あーめんど、バレたか」
「お前の性格ってあんな感じだったんだな」
「どうだった妹の可愛い姿は♡」
「うーん違和感」
「黙れ」
妹に尻を蹴られて、それの衝撃にもがいて痛みを減らす。
「痛ってぇ、何するんだよ!」
顔を膨らませて、顔を赤くしながら
「妹が褒めて欲しいのに褒められないお兄ちゃんが悪い」
「はぁ…まーいいけど今日の夜ご飯、唐揚げな」
チョロいなと思いつつこれで、気分を治してくれると
「やったぁ!!」
「待ってろよ」
自宅で料理中
(今日初めて伊藤さんの驚いた顔みたけどすごい可愛かったな、でもあの時伊藤さんに喋ったあと30分で寝れるものか?)
唐揚げが少し焦げかかり、急いで油から上げようとする。
「あ、やべ」
(唐揚げギリセーフ危ねぇ)
「おーい美咲ご飯できたぞぉ!」
「はーい」
美咲が、階段を軽快に降りてきた
「うーんいい匂い!」
「温かいうちに食べろよ」
「いただきまーす!!」
美咲が美味しそうに唐揚げを食べている。
「あのさ、聞きたいことあるんだけど」
「お兄ちゃんどうした?」
「30分で人って寝れるか?」
自分でも何を言っているのか分からない。
「何?そのしょうもない質問」
お前キモ、みたいな顔をしていて腹たったが質問しているからなんも言えない、
「まぁー寝れる子はいると思うけど、大体は嘘寝かな?」
「そうだよなぁ」
妹の意見を聞き、そうなんだなと理解した。
「でなんでそんな質問した?」
「何となく?」
「何それ」
妹が「頭おかしくなった?」みたいな顔で見てくるので、質問している俺が胸に言葉の針が刺さる。
「お前ならそんなところに出会ったらどうするんだ?」
「私なら、殴るかな?」
「鬼だなお前」
多分本心では無いんだが、それが本心なら家族会議を開く。
笑いながら、妹が「冗談だよ」と言ったのでホッとする。
嘘寝なら、何か隠しているかなにかバレたくないことでも起きたのだろうか。
でも伊藤さんを無闇に聞くと、変な誤解されそうなので気になるがやめとこと思う。
でもやっぱり気になる。
翌日
(仮に嘘寝だとするなら、なんでそんなことするんだ?)
「どうした
「まーうん」
昨日のことを考えていたら勝手に考え込んでしまった。
「なになに、好きな人でもできたのかw」
(こいつはなんで全て好きな人に持ってこうとするんだ)
「ちげぇよ」
「へぇーそうなんだなぁ」
そう言いながら
(また変な誤解がなければいいけど)
「…今日も大変そうですね。」
「あ、おはよ」
「…目の下にくまがありますが昨日寝てないんですか?」
少し心配そうな風に聞いてくるので、内心嬉しかったんだが、俺にそこまでの語彙力がなかったので 普通の反応しかできなかった。
「まぁ…うん」
「それはそうと、俺になんでそんなに喋りかけてるんだ?」
「…バカにしてます?」
少し軽蔑するような目で見てきたので、返す言葉を必死に考えた。
「いや、違うよいつも喋りかけ来ないからさ急に喋ってきたから」
「私だって人と喋ったりしますよ。」
(無表情だけど、少し怒ってるのが分かる)
「ごめんごめん」
「…別にいいですよ」
一応再確認しておこうともう1回聞いてみる。
「怒ってますよね?」
「怒ってないです!」
(怒ってるじゃんそれ)
後ろを向いて、顔を合わせないようにしている。
「まぁーそれはさておき、最近どうだ部活の方は」
「…私の先輩達がとても強くて…すごくやりがいがあります。」
俺が掲示板を見る限り、伊藤さんもだいぶ強いらしく、キャプテンに信用されているらしい。
「先輩強いんだな、俺は読書しかしてないから分からないな」
「貴方も運動すれば良いのでは?」
「身体を少し見る限り、運動できそうですし」
(なんでバレた、まー元サッカー部だったけどな)
「俺は読書がいいんだ」
「本は好きですが…」
「おすすめの本また教えようか?」
俺には本を教えることしか出来ないので、自信を持って紹介しようと聞いてみたのだが、伊藤さんは少し戸惑っている。
「それは嬉しいですけどまだ読み中なのでいいです」
いま、微笑んだような気がしたが見間違いだと思った。
風が彼女にあたり、髪の毛が揺れる。
(やっぱり綺麗だよなぁ)
「どうかしましたか?」
「なんでもない、考え事をしてただけだ」
顔に出てたのかと分からないが、少し暖かい気持ちになった。
人によっては多分恋をするのだろうが、俺はそんな感情は無い。
何故かと言うとそれで1度痛い目にあっているからだ。
「俺と話してお前は迷惑じゃないのか?」
俺はカバンから小説を出して、読みながら聞いてみる。
「…貴方は、無害なので大丈夫です。」
無害?とはなったけどその言葉を聞き、少し安心する。
(嫌ではないらしいな)
それでも、喋りすぎると避けられそうなのでここら辺で辞めようと思う。
授業が終わり、俺は自分の部活に向かうためにカバンの中に宿題のプリントを入れる。
今日はなんの本を読もうか考えながら支度を済ませる。
「部活に行くのですか?」
隣から急に話しかけられたので、肩がピクとなる。
「まぁ…行かないと行けないからな」
教室は2人きり、伊藤さんは机の上に座ってこちらを見てきた。
「今後…私も図書館行ってもいいですか?」
髪の毛を触りながら、話してくる伊藤さんは破壊力がある。
図書館は皆のものなので別に俺がどうこうできるわけが無いが一応返答をしておく。
「いつでも借りに来ていいよ」
「…分かりました。」
伊藤さんはそう言いながら、支度を終わらせてたカバンを持ち教室から出ていった。
(なんでそんなこと聞かれたんだ?)
俺が読書部と言うのは、分かるがなぜ俺に聞くのかが少しだけ疑問に思う。
伊藤さんが聞きたくて聞いているなら悪い気はしなかった。
俺は、カバンを持って読書部に移動する。
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