第27話店長には禍、少年には福。正しく禍福は糾える縄の如し
「そう言えば前に…店長が同業のMGSに客の人気が集まって気に食わない、嫌がらせにバカ過ぎて使いもんにならない親戚のガキ送り込んでやったぜって…って笑いながら独り言言ってたの聞いた事あるなぁ……」
「…どう考えてもそれしかないね。その親戚がMGSで非常識なバカやらかしたのだろう」
「非常識なバカやらかしたで思い出したけど、僕、昨日行ったMGSでそのバカ見たかも?
実銃買いに来てたお客さんをいきなり勝手に撮影してネットに悪評付けてバラ撒くと脅してたんだよね〜。
しかも実銃触りたいって我儘な要求通す為にさ?
すぐ回収されたし、もう1人の連れが情報のプロだと言ってバカのスマホ操作してたんだぁ。
今思うとアレがそうだったのかな?」
湊少年の話を聞いた途端、顔が一気に青ざめて体を震わせ始める警官。
自分が今、何に首を突っ込んだのか理解したようだ。
「………うわぁ、関係繋がった、正にドンピシャだよ。
それだ、どう考えても報復されても仕方ないレベルの問題起こしてるじゃないか。
恐らく裏の住人を勝手に撮影して脅迫?
しかもハッカーらしき人物もセットでいただと?
そうなると一晩で関係者を根こそぎ消せれるだけの人を動かせる影響力を持ってるって事に…これは深入りしたら危険な気がする」
「ですね…。私も同僚と上司にそれを伝えてあまり深入りさせないよう気を付けます。
流石に怖すぎますよ」
同行していた社員も同じように顔を青ざめて警官の言葉に賛同する。
一方で自分とは無関係とばかりに全く気にせず、どうやったら退職した事になるのかばかり考えていた。
「とりあえず撤収しましょう。バイト君、たぶん君の雇用データも一緒に消されてると思うからそのまま転職いけると思うよ?
責任者は一生戻って来ないだろうし、退職の手続きしなくてもいいと思う」
「ホント!? 良かったぁ〜!」
「それだけが救いですね。
いつか少しでも良い仕事先見つけて欲しいと私達全員思ってたので…。
こんな形とは言え、ね?」
「その通りですね。
常連客として様子見てた僕としても同じ気持ちですよ」
「えへへ、転職歓迎してくれてありがとうね!」
大人2人が顔を青ざめながらも少年の転職を祝福し、空の店舗物件を後にした。
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