第8話 わたしのいろたち

わたしの中には、色んないろたちがいる。

しろ、くろ、あか、あお、ぴんく、きいろ、みどり、むらさき、などなど。

そんな個性豊かないろたちが、わたしをいつでも支えてくれている。


このいろたちは、どんな人の中にも存在している。あの人の中にも、この人の中にも。

だけど、人によっていろの力の強さだったり登場頻度が違うので、それによって1人1人異なる性格になっている。


今の職場で働き始めてから早いもので約5年。

こんなにここにいるとは思っていなかったし、正直何度か転職活動もしてきたのだけれど今のところ変わらず同じ職場で働き続けている。


くろ「全くさ、どうしてこんなに複雑なわけ!?」


むらさき「もう本当にやっていられない。他の職場探そうよ。」


あお「また嫌々期がやってきた。」


あか「またっていうか、割と最近ずっとじゃない?」


くろ「だってさ、やってられなくない?しろもそう思わないの?」


しろ「思うよ、思うけどさ。今までの経験上、さきは転職活動が苦手だし、新しい職場に行くと慣れるまで大分心身共にやられちゃうからさ、またそうなるかと思うと、どうなのかなって。ちょっと心配なの。」


むらさき「確かにね。」


ぴんく「でもさ、みんな忘れてない?」


くろ「なにを?」


ぴんく「あの人に話しかけるまでは絶対に転職なんてしないんだから!」


あか「あ、あ〜。」



わたしには、数ヶ月前から気になっている人がいる。どこの会社の人かも分からない、名前も知らない、声も年齢も知らない、何なら正面の顔も知らない(!?)

その人は雰囲気がとても好みで、職場である受付から格好良いなあと思いながら眺めている、だけ。


その、以前から気になっている人に

今日も話しかけることができず

あ〜、、と今日も落ち込んでいた。


しろ「さき、また落ち込んでるね、、。」


あお「仕方ないさ。今日はチャンスがあったのに活かせなかったからね。」


ぴんく「も〜!もどかしい!どうしてこんなに身体が固まっちゃうのかな!?」


みどり「もうあの人のこと気になりはじめてからどのくらいになるんだっけ?」


むらさき「3ヶ月。」


きいろ「えー!うそ!そんなに経つんだっけ!」


あか「さき、いつもは割とすぐに気になる人には自分から積極的に話しかけに行けるのにね。今回は様子がおかしいよ。」


くろ「このままじゃなにもできないまま終わっちゃうよ。早くしないと。」


しろ「それはさきが1番よく分かっているはずなんだけど、、本当に今回はいつもと様子が違うよね。」


そうなのだ。以前なら気になる人ができたとき、割と自分から話しかけることができていた。

なのに、今回は3ヶ月も勇気を出せないまま、チャンスを棒に振り続け、ただ見ているだけ、、!

何ということだろう。

一体どうしちゃったというのだろう。


自信、の問題ではないのだと、、思う。

だって自信なんてちゃんと持てていたことないもの。あるフリはできるようになってきたけれど。


明らかにうまく行く気がしないから?

好みすぎるから?


いずれにしても、行動を起こさないとどうにもならないのはよく分かっている。

分かっているのにもう3ヶ月も経ってしまっている。


くろ「左手の薬指すらまだちゃんと確認できていないからね。」


しろ「そうなんだよね、、。これでもし光ってたら、即the endなんだよね。心配だなあ。」



それぞれ、人の中には様々な色がいて

その人によってどの色がより力を持っているのかが異なるのだけれど、

わたしの場合はしろが1番力を持っている。

これが、よく言われるイメージカラーというものだ。


なので、わたしのイメージカラーはしろだと思われることが多いと思う。

実際、出会う人出会う人に、「わたしのイメージカラーはなんだと思いますか?」なんて聞いているわけでもないし

いつでもその色でいるわけではないので

人によっては全然違う色に見えているかもしれないけれど

ふわっと、ゆるっと、しろだと思われることが多い。


しろはとても強い。しろというと、優しくて強く言えない印象を持たれがちだけれど、とんでもない。

時には、ばさっとさらっと毒を吐く。

勿論言わずもがな、くろも強いのだけれど、しろの強さはそれとはまた違う。

そして面白いのが、しろとくろは大体セットで行動している。しろが活躍しているときには近くにくろがいて、その逆もしかり。

もしかしたらそうやってうまくバランスを取っているのかもしれない。


例えば、わたしはオフィスビルの受付の仕事をしているのだけれど

大半の普通のお客様には感じの良い対応を心がけているので、そんなときにはしろが大いに役に立つ。

けれど、残念ながら全てのお客様が良い方、というわけにはいかなくて、時には高圧的な理不尽な言われ方をするので

そんな時はしろはすぐに休憩をしはじめて

意気揚々とくろが表に出ていく。

ここは任せて!という具合に。なんて便利。

そうやっていくつもの色を使い分けながらさきは自分を守っている。もちろん、あなたもそのはず。


人によって登場頻度の高い色が違うから面白い。あなたは何色が1番力を持っているだろうか?


もしも、理性的に物事を判断することが得意で数字にも強くて冷静なことが多いとしたら、『あお』が強いかもしれない。


もし、楽しいことが本当に大好きで陽気で、いつでもわくわくしているのなら『きいろ』が強いかもしれない。


恋愛体質で、ずっと恋をしているようなら『ぴんく』だし

情熱的でイケイケどんどん!なら『あか』だし

冷静でドライだけれどなんだか魅惑的な雰囲気があるのなら『むらさき』かもしれない。


『くろ』だとしたら、かなりオーラが強い可能性が大きいと思う。くろはなかなかに強い色だから。


その人によって、1番強い色はそれぞれ。

だけど勿論その人にはその色だけしかないのではなく誰もが色んな色を持っている。

その中で、強い色がある、ということ。


全ての色のことを大切に思っているけれど

1番強い色は、もうパートナーというくらいに頼もしい存在。


しろ、これからもよろしくね。



もう一色、書いておきたいのが

くりーむいろ。


好奇心旺盛で、気になるとすぐに手を出してしまう。がちっとハマれば長続きするのだけれど、実際に足を踏み入れてみるとやっぱり違うかもと飽きるのも早め。


そんなくりーむいろが最近夢みていること。

それは、作家になること。

それも、こんなことを言い出したのは今回が初めてではないのだ。


過去に何度か試してはやっぱり自分には難しいと諦めたこと、覚えているだけでも5回!

いやいや何回諦めたら気が済むのか。不死鳥にもほどがある。


そういうわけで、またコツコツ執筆に手を出しはじめたくりーむいろへの他のいろたちの反応はなかなかに厳しい。


くろ「よくまたやろうと思うよね。また諦めるか飽きるかするのも時間の問題だと思うけどさ。」


あお「また、ユミの細胞(韓国ドラマ)観ちゃったからだろうね。確か前回もそのドラマ観て影響されていた記憶があるよ。はあ、、全くなんと言うか、単純、、。」


あか「まあ夢があるのは良いことだけどね。続くと良いけどさ。」


くりーむ「うーん、何も浮かばない、、」


なんとかして今回は形にしてみたいくりーむは、とりあえずは30日間は毎日書くと決めた。少しでもいいから、毎日、30日は続けること。


飽きっぽくて好奇心旺盛で

誰の言うことも聞かないくりーむは

無事に達成できるかな?良ければ見守ってあげてください。


こんな、ユニークないろたちが

いつでもわたしを支えてくれている。

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