君と僕とのとある日常〖無自覚ハイスペ幼馴染みに時々、天誅を下します〗
雷電
第1話・〖ありふれた放課後に〗
僕の名前は世道 見理(せいどう けんり)。
何処にでも入る様な男子高校だ。
あぁ、いや少し普通では無かったかな。
僕は少しだけ運動ができて、頭も少し良い、それと絵も少々嗜む‥‥‥‥位だろうか?あ、あぁ、後は料理をするかな?趣味程度にね。うん!それ位しか取り柄がない至って普通の高校生だろう。
そして、住んでいる場所も関東地方にあるとある田舎町。特に有名な観光スポットや有名グルメがあるわけでもない町、ムメイ町。
そんな町に僕は小さい頃からずっと友達で入る女の子と共に十五年も暮らしているのだ。
そんなムメイ町の時間は緩やかに流れていく‥‥‥緩やかに、緩やかに‥‥‥そして、今日もそんな緩やかな一日が終わると学校での授業も終わり、放課後になる。
そして、僕はクラスの友達に帰り挨拶を交わすと直ぐに教室を飛び出しある場所へと向かうのだった。
そう、僕が所属する料理研究部へと‥‥‥‥‥。
◇◇◇◇◇
ガラガラ‥‥‥‥‥。
「失礼しまーす!すみません。梓(あずさ)部長少し遅れちゃいましたか?」
「ん?おぉ!ケンリ君。もう来たのかい?早いね?君が一番乗りだよ!やる気があって感心!感心!」
「一番乗り‥‥‥ですか?じゃあ、他の部員達はまだ来てないんですね‥‥‥‥ホームルームから二十分位経ってますけど?」
「そうだね~!全くどうなってるんだろうね?最近の若い子達は~!時間も確認しないのかな?あの子達は~!これは来たらお仕置きしてあげないとね~! (イライラ)」
かなりご立腹の様だ。
‥‥‥‥この現在進行形でご立腹中のお人。
柊梓(ひいらぎあずさ)部長という人で、噂では中学生時代は元ヤンキーだったらしく。
ここら一帯の地元を縄張りとしていたとの事。
その時に付いたあだ名が『女帝』と言う、僕の怒らせたらいけないランキングの上位に食い込むお方なのだ。
だから、僕は逆らわないし無闇に刺激しない。痛い目に合いたくないから‥‥‥‥
そんな事を考えていると廊下から話し声が聴こえて来た。
(ちょっと!あんたのせいで部室行くの遅くなったじゃないっ!)
(何で俺のせいなんだよ。そもそも皐月(さつき)がだなぁ!)
(二人共。夫婦ケンカしてないで早く行かないと‥‥‥‥また、梓部長のアイアンクローが炸裂しちゃうよっ!)
((だ、誰が夫婦ケンカよっ! だっ!))
あぁ、ここまで声が聴こえるということは‥‥‥‥
「血祭りといこうじゃないか!後輩達よっ!」
ぶちギレフルスロットルの梓部長のせいたんである。
そして、これから始まるは後輩アイアンクローと言うなの地獄絵図だろう。
あぁ、良かった一番乗りできて。これで悠々と血祭りと言うなのお祭りを観客側で観ることができる。
ガラガラガラガラ!!
「「遅くなりました~!!すみません!!梓部長~ (棒読み)」」
「ました~‥‥‥‥サササ‥‥‥」
ん?誰だ?黒光りするGのごとき動きで部室内に入ったと思ったら一瞬で隠れた奴は?
「棒読みか?‥‥‥‥ほうほう、反省の色は無しだな。馬鹿三‥‥‥十秒やる‥‥‥好きな所に逃げろ‥‥‥一‥‥‥ニ」
「す、好きな所に逃げろって!ぶ、部長!少し遅れた位じゃ‥‥‥‥‥てっ!ギャアアアアア!!!目が目が潰れますぅ!!梓部長!!!」
「京の馬鹿。何、ゴリラを刺激して‥‥‥痛ててて!!!痛いです!!ゴリ‥‥‥じゃなくて梓部長!!!放ちてぇ!!!」
凄い光景だ。梓部長が自身の右手と左手の手を使い、片方ずつで人間を持ち上げている。
どんな腕力があればそんな事が可能なのだろうか?
非常に興味深い
「さぁ、後、八秒ある‥‥‥‥好きな場所に逃げて良いぞ。そして、私はそれを追いかける狩人となるからね」
「ガハァ?!こ、この人ヤバイぞっ!逃げるぞ皐月!!」
「あっ!ちょっと!何で私まで巻き込まれるのよっ!こんなの土下座すれば助か‥‥‥‥る雰囲気じゃ無いわね‥‥‥ていうか、部長‥‥‥もしかして前に部長に悪戯した事まだ怒ってるんですか?」
「悪戯?‥‥‥‥あぁ、君が私の下着をクンカクンカしてたことか?‥‥‥ていうか、皐月は持っていった私の下着をそろそろ返しなさい!」
クンカクンカ?皐月の奴そんな事。してたのか?凄い変態だな。
「お前‥‥‥‥そんな事してたの?引くわー!」
「いや、あれは不可抗力で‥‥‥‥さようなら!!梓部長。また、明日!!!」ダッ!
「あっ!待てコラ!」
「うわぁ、何で俺の方に来るですか?部長!!皐月は反対側の通路に‥‥‥てっ!ギャアアアアア!!!」
「ふぅ、今日も今日とて賑やかな日常だな」
騒がしい三人は出て行き。部室内には沈黙が訪れる。そして、僕は椅子へと腰掛け、三人が戻って来るのを本を読みながら待つことにした。
フリフリフリフリ!!
そして、教室の隅の机に隠れている。幼馴染みのスカートが僕の視界に入ってきた。
「お尻見えてるよ。南本さん」
「へ、変態!勝手に見ないでよ‥‥‥ケンリ君」
「そっちが見せてきてるんだろう。変態さん。そんな所に隠れてたら危ないよ」
「ち、違うもん!わ、私、変態じゃないもん!!てっ!キャアーー!!」ドガァ!!
「あー、あー、言わんこっちゃい‥‥‥ほら、南本さん。しっかり」
「痛たた‥‥‥‥利絵って呼んでよね‥‥‥もう!」
この少しお間抜けな女の子の名前は南本 利絵(みなもと りえ)。
僕の幼馴染みだ。そしてこれから始まる物語はそんな事のありふれた日常の学園生活だったりする物語だ。
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