第3話 協力
そんな時だった
相手の魔法使い(?)がボソッと口にした
「魔物の罠かもしれない…」
から始まった。
剣や杖、戦斧を構えてジリジリと間合いを詰めてくる。
きっと抵抗しないで捕まるのが信用されるには良いんだろうけどそうじゃなかったら
終わり
次も転生出来るかとなると怪しい。
きっとこの状況をまともに話したって信じてくれない。
となると
風属性の魔法に
「麻痺、
あとは爆弾とか投げる感覚で
ポイっと
私の魔力が辺りを駆け巡るのが分かった。
色は無いし匂いも無い。
けど効果はすぐ分かった。
ふらっと戦斧を持っていた戦士が倒れた。
カランカラン音を立てて戦斧が落ちる。
助けに行こうとしたパーティーメンバーも既に全員動けない。
そのうち1人また1人と膝から崩れ落ちた。
全員倒れてる。
もちろん私も…
防御張るの忘れてた。
しかも調子に乗ってなにもかも3倍にしてあるから洒落にならない。
相手の方は必死なやつもいれば笑いを耐えてるやつもいる。
やらかした☆で済む話では無く
私は基本声とか物音とか立てないように動いていた。
このあとも
が目標だったのに自分自身で麻痺した。
計画崩れたしきっと今から1回死ぬ。
色んな意味で終わった。
理由はすぐ分かる。
剣や戦斧が落ちた音で《やつ》がやってくる。
それは一瞬だった。
いや、一瞬もなかったかもしれない。
宙を砕けた木の破片や土埃がパラパラと舞う。
油断してこれを受けたら間違いなく
改めて思う。
やっぱあいつ序盤に出てきて良いやつじゃないよ…
この森を(ある意味)支配している
″素早い
それが凸ってきた。
きっとこれを
生き残ってるのは範囲外にいた1人。
例の魔法使いだ。
何年も一緒にいて一緒にレベル上げしたであろう仲間達が一瞬で蹴散らされたんだ。
当たり前だけど呆然とした表情だ。
時間経過で
指がもう動く。
プルプル震える膝を抑えつつ片手を差し伸べて喉の奥から絞り出す。
「協力しませんか?」
彼女は少し驚いたような脅えたような顔をして差し伸べていた片手を握り返してくれた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます