食材分析スキルはダンジョンには不向きです!
うましかぐん
第1話 覚醒
この世界では全ての者に〚スキル〛というものがあり、スキルの力は全く平等ではない。
スキルには色々な力があり、水を硬くするスキルや、火を吹くスキルなどの戦闘に役立つスキルもあれば、肉の焼き加減を完璧にするという料理に役立つスキルもある。
だが金のない人達は調理系スキルや戦闘に不向きなスキルでもダンジョンや冒険に出向くことがある。
そして俺も食材の分析という明らかに戦闘では不向きなのにも関わらず、ダンジョンに来ているのだ。
『ここいらで一旦休憩にしませんか?』
『まーそうだな。2層のボスもかなり近いし一旦休憩にするか。』
ここはあるダンジョンの2階層目だ。
メンバーはガル、ブロス、ヘレン、そして俺の4人だ。
『んじゃそろそろ飯にするか?』
『そうねぇ、私ももう結構お腹減ったわ。』
『よし、、、おいテール!早く食材取ってこい!!!』
『はい、分かりました。。。』
俺の仕事は基本休憩中の食材調達だ。これで金が貰えるなら相当いい仕事かと思うかも知れないが、俺のスキルは食べるまで発動しない。
そしてダンジョンにある食材はほとんどが毒で出来てるから、かなり命懸けだ。。。
『これはギリいけるか?』
見た目は毒が無さそうだが、臭いはかなりキツい。だがダンジョンだと少し食えそうな物は持っておきたいのだ。
『食ってみるか、、、』
パクっ
『あっ、やべ』
解説カエンマルイタケ 猛毒 食べた後に焼けるような喉の痛みが走り、30秒後で意識が無くなり、その後数分で死に至る。
『ウグッ、マズい。早く飲まねぇと、』
ごくごくごく
『ぷっはぁ!』
『危なかった。。。解毒薬手元に置いててよかった、、、』
食材を食べた後に解毒薬をすぐに飲むという手もあるが、解毒薬は飲み過ぎるといずれ中毒になってなんの仕事も出来なくなる。だから多少の毒では飲まないこともある。
『まぁ結構食材も揃ったし、一旦戻るか。』
基本自分が食べる分はいくら沢山集めてもないので、元から3人分しか集めないのだ。
『戻りましたー!』
『遅せぇよ、なんのためにお前を雇ってると思ってんだよ。』
『お腹減ったの早く出してよ!』
『はい。ごめんなさい。』
バックから食材を取りだしそのまま出す。勿論調理なんてダンジョンでは出来ないので全員そのまま食べてもらう。
『量もすくねぇしよ、』
『まぁ早く食べて2層のボス倒して3層に行きましょうや。』
食事が終わったあとに行く場所は2層と3層の分かれ目だ。基本その分かれ目にはボスがいるが2層目はまだ強くないのだ。
『暗くなってきたなぁ...』
再び歩き始めてから10分程度が経過した。
『分かれ目がそろそろ近いからですかねー』
スッ
『えっ』
ドーン
ブロスが階段がある事が分からずに転けてしまった。
『おーい!大丈夫か?!』
『大丈夫っすよー!・・・・・・でもそれより何でテールが先に歩いて無いんだよ.....』
『すみません。急に早く歩かれたので、』
『あっ?俺が悪いのか?』
『いや、そんなことは』
『チッ、ったく』
『ん?なんだこれ?』
ガルの前に少し不気味なドアがあった。
『なんですそれ?ドア?』
『おいテールお前が開けろ。』
こういう罠に見えるものは大体俺がやらされる。罠に見えるなら先に行けばいいのにと思うがそんなことは言えない。
ガチャ
そうしてドアノブに触れた瞬間。。。
ブワッ
『うわっ何だ!』
『ちょやめてよ!』
ドアノブに触れた瞬間黒い霧が4人を覆ったのだ。
『見えねぇ!誰か火つけろ!』
『元々松明つけてるのに見えないんすよ!』
『クソっ!あれ?』
黒い霧はすぐに晴れた...が
『何だこの場所、さっきと違うぞ。』
明らかにボス戦の雰囲気ではあるが2階層にしてはかなり作りが凄い。
『あれ?ボスか?』
かなりでかいゴーレム2体の真ん中に1人ボスのような存在がこちらを見ている。
『これが2層のボスってわけか!』
『でも、なんか強そうじゃないですか??』
『何ダサいこと言ってんのよ!』
正直ブロスの言う通り見るからに強そうではあるが、ボス戦である以上やるしかない。
『いつも通り私からいくわよ!』
〚スキル〛 バリア
ヘレンがバリアを展開しそのまま走り出した。
それを3人で後ろからついて走るこれがいつもの最初の戦い方だ。
パキッ..グチャ
『は?うそ..だろ』
かなり近づき攻撃をしようとした瞬間、ゴーレムが急に動きだしヘレンのバリアを一撃で割りヘレンはそのまま叩き潰された。
『なっ、なんで!』
ヘレンのバリアは硬く2層のボスに簡単に割られるほど弱くは無かった当然の反応だ。
『無理だ、、、一旦逃げるぞ!ブロス!』
〚スキル〛バネ強化
ピョンッ
ガルは自分のバネを強化することによってものすごい跳躍力が得られる。
グキュッ
『ブホッ!』
ガルはもう片方のゴーレムに掴まれたのだ。
『やっ、やめ!』
グチャッ
ガルは簡単に握りつぶされてしまった。残りは俺とブロスだけ、もはや逃げることすら不可能だ。
『おい、テール。お前が身代わりになれよ!』
『もう無理ですよ、、、諦めましょう。』
もう無理だ。どうやったって勝ち目はない。
こんなのに殺されるくらいなら、こいつ食ってさっさと死のう。。。
『ブロスさんおさきに死にますね。。。』
『あぁ、なんでぇ、』
パクっ
『くっ、』
解説 ベニガルリンタケ 猛毒 近くにいると胞子で感覚麻痺を起こし、触れるだけで手がやけるような痛みが走り、その後死に至る。食べると即死。
『くそな人生だったなぁ、』
ピコンッ
スキル1段階強化、スキルが2段階目になりました。よってスキルが強化されます。
〚スキル〛食材コピー
ベニガルリンタケ 持続時間 3分
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます