異世界に召喚されたので魔王軍に就職します!
柴咲心桜
第1話 転移と追放
「なぁ、モブ君!お小遣いくれよ!」僕の名前は五見境。クラスメイトに虐められている陰キャだ。
「お金はないんです」いつもお金を渡すように言われるがやり返せば家族が何をされるか分からないため、反撃することが出来ない。そもそも僕は運動神経が悪いから反撃なんて無理なのだが。
彼らが僕をいじめているのを傍観しているクラスメイト達。
「ねぇ、富田くん。五味くん嫌がってるよ!」唯一、僕のことを気にかけてくれるのは幼馴染で学級委員長の遥香ただ1人のみ。
「委員長、俺たちは五味がくれるって言うから仕方なく貰ってあげてるんだ」そんな話をしている時、教室内が明るく光り始めた。
「なんだ!これは?」床には魔法陣のようなものが展開される。光は段々と眩しくなり目を開くと教室から知らない場所に移動していた。
「どこだ?ここは」
「勇者様!よく来てくれました」混乱するクラスメイト達。
「あなた達は誰でここはどこですか?」漫画オタクの小田倉が質問する。
「失礼。我はバーナム王国の国王。ライジン・バーナムである」続いて国王の隣にいる少女が話し始める。
「私は第一王女のクインシーと申します」少女は話を止めて全員の顔を見てから話を再開する。
「勇者である皆様には魔王を倒していただきます」
「魔王だって!?」
「皆様、静かにしてください」
「みんな!まずはクインシー様の話を聞こう」
「そうだな」納得し静かに話を聞く生徒たち。
「皆様にはこれからスキルの審査を受けていただきます」喜んでるものも多いが不安な気持ちな人もいる。
「俺は剣聖」「私は聖女よ!」「僕は精霊の加護が貰えた!」「あたしは、強欲の権能だったわ」それからもスキルの審査が続き最後に僕の出番が回ってきた。
「次で最後ですね。五味さん」
「はい」
「おい、モブ!いいスキル出るといいな」内心出ないだろうと馬鹿にする生徒たち。
「境、頑張れ」励ましてくれる委員長。
「あなたのスキルはーー森羅万象」
「森羅、万象?」
「はい。それがあなたのスキルです」どうやら異世界でもハードモードらしい。
「なんだよ、森羅万象って!」
「モブらしいな!」次々に僕のことを馬鹿にする生徒たち。
「皆さんお静かに!」少女がそう言うと国王が話し出す。
「五味殿、あなたのスキルは今まで発見されたことの無いスキルです。ハズレスキルという他ありません。なのであなたを追放します」
「ちょっと待ってください!どうやって帰ればいいんですか?」
「あなたも訳の分からないところで暮らしたくはないでしょうからダンジョンに送って差し上げます。大丈夫。今のあなたならなんとか生きていけるかも知れませんね。それではここに来てください」
「覚えてろよ!」王は僕を転移装置のある部屋に連れてきてダンジョンに転移させた。
「境くん、」心配する委員長。
「遥香、行こ!」
「うん」かくして僕はダンジョンへ飛ばされた。
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