第2話

聞いてきてほしいといわれてもな、この三日間僕は聞き込みしか行ってない。

「出てこなかったらどうするんですか?」

「それは実力行使でいくしかないだろ」

「だめですよ!」



午後四時三十分

人が住めるのか?というぐらいのボロアパートが目の前にたたずむ。本当にここでかなちゃんは暮らしていたのだろうか。錆びて劣化している柱、今にも崩れそうな屋根、誰が作ったんだよこんなの…。おっと、もたもたしている場合じゃない。えーと何号室だっけ??確か…

「何してるんですか?」

振り返ると三十代半ばの女性がそこにいた。全然気が付かなかったなー申し訳ない。

「あ、すみません」

「藤咲さんっていう女性がこのアパートに住んでるはずなんですけど、知ってますか?」

「はい」といって三十代半ばの女性が歩き出す。歩き方に癖がある、右足が少し蟹股気味、、、、。昔事故とかあったのか?

「私が連絡した探偵の方ですか?」

「はい、もしかして藤咲さんですか?申し遅れましたわたくし(佐藤龍司)と申します」

「すごいですね、探偵さんってプライベートに勝手に介入してくるんだ」

「ああ、すみません」

連絡してきたのはそっちだろとか思いながら階段を上がると藤咲が201号室の前に止まった。

「ここです、佐藤さんなんで部屋の番号知らなかったんですか?」

「ど忘れしてしまいまして、、、」

あからさまにこいつ馬鹿じゃねーのみたいな顔で見てきたが僕も人間なんだから仕方ない。でも大事な情報を忘れたのはいけなかった、藤咲がいなかったら事務所に帰っていただろう。

「まあいいです、どうぞ」

「お邪魔します」

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ミステリー @akarisann

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