次に桜を見るまでには
西悠歌
第1話
「次に桜を見るときまでには、彼氏ほしいなー」
「あと1年か。頑張ってね。っていうか頑張ろう。」
5月、初夏の日差しを浴びながら四人の女の子が話していた。
「じゃあうちは次に花火を見る時までに。」
すると一人の少女が言った。
「今からスーパー行こっか。」
「そういうことじゃないよー。」
今度はまた他の少女が宣言する。
「ならあたしは次に紅葉を見るまでには!」
「教科書の130ページをご覧ください。」
「そんな意味じゃない!」
そして揚げ足を取っていた少女も続く。
「私は雪を見るまでには。」
最初の少女が笑って言った。
「あなたの家、ベランダから富士山見えるよね?」
「それはひどくない?」
「君がやってたことだけどね?」
みんな願いは叶わなそうだ、残っているのは『桜』と言った少女だけになったと思って歩いていると、ふと薄桃色が目に入る。
街角で一本の桜の木が花びらを散らしていた。
次に桜を見るまでには 西悠歌 @nishiyuuka
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます