秘匿された世界(異世界ファンタジー・SF)
小鳥遊しの
プロローグ
ぼーっと過ごしてたら天啓のようにピコーン!ってなって、書き始めました。
更新頻度は
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俺には、親がいない。
昔、事故として扱われた暗殺事件…それによって俺の親は死んだ。
これはつまり国が親を消したということだ。
だが、俺には復讐したい、という気持ちよりも何故親を殺したのか、という気持ちの方が強かった。
俺は直ぐに家を漁った。
だが、どれだけ探しても残っていなかった。
それは、余計に興味を掻き立てた。
国も、親も誰にも知られないようにしたそれはなんなんだろうか?
それは、国を揺るがすようなこと…もしかしたら世界すらも震えさせるほどなのではないか
〈彼は、生粋の狂人で、親譲りの鬼才だった〉
俺は、親の端末をビニール袋に入れると、家の庭に生えている、俺が生まれた時に植えられた《名も知らない木》の下に埋めた。
いわゆる簡易タイムカプセルのような物だ
これは、国に奪われないようにするため。
俺は、親の死を憐れむよりも先に物を残すという最善だが、人として残酷な決断をしている。
だが、それに迷いなどなかった。
これは、きっと親も望んでいることだから
そして、俺は1年の間機械について勉強をし続けた。
「やっと、データを復元させることができる」
そして、俺がデータを復元させることで
全てを知った。
母は機械工学、父は異世界…IFの、もしもの世界についての研究者だった。
そして、2人は天才を超える程の才能を持っており、混ぜるな危険と言っても良い2人は結婚することにより混ざってしまった。
そして、VRを使うことで、過去の認識を電気の力によって変えることでもしもの世界を創り出すことに成功した。
親は喜んだ。
そして、国に発表した。
それが、よくなかった。
それは、国からすると最高の出来事であり
親からすると最悪の出来事だった。
国はきっと、その才能を利用した方がいいと考える人もいただろうが、人間は未知を恐れる。
未知を知ろうとしているくせに、未知を恐れるのだ。
異世界…人間の過去の認識を無理矢理変えた上、機械によって脳の補助をすることで新しい世界を作り、それを保存し、共有することでIFの世界を、皆同じ場所で感じることができるのだ。
だが、それは未完成だった。
親は、世界を共有するまではまだ作っていなかった。
まだ、1人の世界しか作られていなかった。
きっと、殺した後国もそれに気付いたのだろう。
だから、国はそれを作ろうとした。
親の手柄を、親を殺し途中から進めたのだ。
愚者と凡人が親の後を継いだことにとてつもない怒りと呆れ、落胆はあるがそこはどうでもいい。
天才がいないというのは、それだけでかなりの遅れになる。
そう、それが完成した頃には1人の、親の才能を受け継いだ生粋の狂人が全てを知っていたのだ。
「ハハハ、アハハハハハハハハ」
それは、とてもおかしくて笑ってしまった。
愚か過ぎて、愚か過ぎて呆れも、あらゆる感情が限界を超え、いつのまにか笑っていたのだ。
その笑い声は、特殊な山の奥で夜の間途切れることはなかった。
一週間後、異世界のように感じるVR…今までの実際に動いて視界だけを変える物ではない。
妄想の域だったフルダイブが実現した、という発表が先日され、それが開始される。
いつのまにか、彼の口角は上がっていた。
これは、国が彼を殺し損ねたことによって起きた喜劇だ。
その物語の一幕は、こうして君達に読まれる。
これは、世界が真の意味で崩壊する前の物語…地球ではない、どこか遠い宇宙で起こった
史上
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