ライ麦畑で語らせて：ほんの少しの運命を！！！

第1話 「サリンジャー」が全く理解出来ない

　私は、今年（２０２４年）の５月中旬の、多分、土曜日か日曜日であったろうが、高齢で別居中の母親の介護に、出向いていたんだよな。

　私の自宅から、約１００メートル程離れた、元旦の能登地震でも壊れなかった頑丈な家（但し、家のブロック塀は倒壊でっせ）に、９０歳を遙かに超える高齢の母は、要介護５（介護保険法上、最高に重い状態）で、電動ベッドの上に寝ていたのだ。

　私が、いつものように、夕食の用意をしていた時である。確か、ＮＨＫの特番で、この「サリンジャー」の話をしていたのさ。

　かって、もの凄い小説を書いた作家が、アメリカにいて、その息子まで出演してのインタビュウーまで放送していたんだよ。

　テレビでは、このＪ・Ｄ・サリンジャーの作品『ライ麦畑でつかまえて』を、現代、若者の聖書の如く紹介していたっけ。

　確かに、その特番を、よく見ていると、

　サリンジャーは、第二次世界大戦最大の作戦の、ノルマンディー上陸作戦にも従事し、そこでの戦争体験の悲惨さを、この小説『ライ麦畑でつかまえて』の中に、微妙に忍ばせているらしく、この書物こそ、現代の若者が読むべき、まるで聖書のように、讃えていたのである。

　このテレビ番組を見て、即、次の日、近くの書店に『ライ麦畑でつかまえて』（白水社）の小説を買いに行った。訳者は、野崎孝氏である。

　もう、一冊、出版されている事も知っていた。これは、同じ原本からの翻訳ながら、ノーベル文学賞候補の村上春樹氏が翻訳している『キャッチャー・イン・ザ・ライ』（白水社）なのである。

　ただ、私にはどちらでも良かったのだ。ともかく、この「永遠の青春小説」を少しでも早く読みたかったから、誰の訳書でも良かったのである。

　しかし、ここで、実は、驚愕の事が起きるんだよなあ。

　既に、全世界で約６千万部も売れ、現在も、毎年、世界で２５万冊が売れている筈の、この本、『ライ麦畑でつかまえて』（白水社）が、全くと言っていいほど、この私には、完全に、全く面白く無いのである。

　んな馬鹿な？

　世界で、既に６千万部も売れており、それのみならず、これも、ＮＨＫの特番で言っていた事なのだが、

　この、『ライ麦畑でつかまえて』は、何と、二人の重大事件の犯人にも大きな影響を与えているといると言っていたんだがだなあ……。

　一人は、ビートルズのジョン・レノンを銃で暗殺した「チャップマン」が、あの暗殺の動機を裁判所で質問された時に、

「全ての謎は、『ライ麦畑でつかまえて』の中にある……」と、発言したと言うのだと。

　もう一人は、アメリカのレーガン大統領を銃で暗殺しようとした犯人が、その暗殺事件の直前に泊まっていたホテルの部屋からは、ボロボロになるまで読み込まれた『ライ麦畑でつかまえて』が見つかったと、言うのだった。

　このような経緯からか、ＮＨＫの特番では、この『ライ麦畑でつかまえて』を、最大級に賛辞していたけどもさあ。

　読み始めて、何とたった１０分程で寝落ちしたにのしたのも、この作品が、長い人生でも、最初で、最後なんですよ。

　このような経験は、いくら当時、この私が疲れていたとは言え、初めての経験である。折角、高いお金を出して買ったのにだよ

　一体、何なんだよ、この変な小説。

　まるで、中二病のような状態の作者が、書いたような、文章ではないのか？

　実は、現在、購入から、既に半年以上経っているが、未だに、半分すら読んでいないだな。

　ようやく、主人公が売春婦を買って、気が向かず、帰ってもらうところまでは読んだのだがねえ……。

　でも、何だかなあ。

　某ユーチューブでは、このサリンジャーについて、事細かく説明していたのだが、その説明も、とって付けたような紹介だったじゃ無いか？

　だったらばだ、この私も、少々だが、この本を真似て書きたい事もあるのだよ。