見下してくる同級生をタイムスリップしてわからせようとしたけど実は既にヤンデレでした

@namonakiv

イケメン彼女は息を潜める

第0話 あの日私は壊れた

なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?


誰もいない薄暗い部屋の中、明かりもつけずにベッドの上で暴れる。


(約束したじゃん! 来てくれるって、応援しに来るって!)


でも、彼は会場に現れなかった


「嘘つき! 嘘つき! 嘘つき!!!」


私、今日のために3年間頑張ったんだよ? 毎日毎日、夜遅くまで練習して。君と交わした約束を絶対に守るんだって。


なのに、なのに、なのになのになのになのに!


怒りと悲しみで頭が狂いそうになる。

悔しくて涙も出てきた。

だが、”そんなはずはない”と彼が来なかった現実を否定する。


もしかしたら、どうしても来られない理由があったのかもしれない。親戚が亡くなったとか、家から出られないほど体調が悪いとか。

きっとそうだ。それ以外考えられない。理由もなく、彼が私との約束を破るはずがない。忘れるわけがない。


 …でも、どんな理由があろうと、私より優先したことは絶対に許せない。


(ふふふ…きっと彼は今頃、死ぬほど後悔しているにはずだ。私みたいに、一人寂しく泣いているかもしれない。きっとそうだ。)


ならば、彼のために懺悔の機会を設けてあげるのが優しさだ。

「そうだな…次に会ったとき、向こう1年は奴隷のように扱ってあげることにしよう。絶対に文句は言わせないよ? だって君が100%悪いんだから」


試合で疲れた体に鞭を打ち、私は机の引き出しを開ける。そこには、彼とお祭りに行ったときの写真、彼がくれたカードやストラップ、小学生の頃から集めてきた、

彼との思い出がぎっしりと詰まった宝箱のような空間。


それらを一つ一つ机の上に広げる。


あぁ...見ているだけで、彼を感じられる。どんなに辛くても、”あのとき”のように元気が湧いてくる。今でも彼の笑った”あの顔”が頭から離れない。今の私ならどんな無理難題でもやってのけるだろう。


そして、一番下に保管してある紙を最後に取り出す。



“お互いの名前”が書かれたA4サイズの紙。



これは、彼と離れ離れになる最後の日に駄々をこねて無理やり書いてもらったもの。当時の私は、この紙さえあれば一生一緒にいられると本気で信じていた。自由帳のページを破いて作った粗末で汚く大切な誓いの証。


もちろん、この紙に法的な力なんてない。他人から見たらただの紙切れだ。

でも、約束したという事実は変わらない。


高校を卒業した日にこの紙を持って突撃し、今度は”正式な紙”を書いてもらうつもりだ。そうすれば今度こそ一生一緒にいられる。


紙を撫でながら、そう遠くない未来を想像する。


…でも、もし今回と同じように、この約束すらも忘れていたら?


拒むつもりなら?


もしも…別の女と付き合っていたら...




「もしそうなら私、ドウナッテモシラナイカラナ…」


私は、もう彼なしでは生きられない。

こうなったのも、全部…全部全部、彼のせいだ。



「絶対に逃がさないから。たとえ君の自由を奪うことになっても」




ふふふ…ふふふふふふふふふふふふふふふふ




「あぁ、早く会いたいな。…今度はもう逃がさないからな?」



あの日私は壊れた  


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