マリー・グランヒルは愛を教えたい

kこう@受験によりほぼ停止中

マリー・グランヒルは学校になじみたい

第1話 いざ入学


「ルンルンルーン♪」


 軽快な鼻歌を歌いながらスキップをする。

 私の名前はマリー・グランヒル今年で16歳、今日から夢の令嬢学園に通うことができた夢ある一人の少女である。

 髪は黒髪だか、整った顔やスタイルから自分でも美少女だと思う。


 私の家はいわゆる中級貴族というやつで私はそんな家の一人娘として生まれてきた。

 本来は16歳には家業を継ぐのがグランヒル家のルールだったのだが

 家族が私の才能を見込んで令嬢学園に入学させてくれたのだ。


 しかし、それは本当に才能があったからではない。

 私はいわゆる、転生者と言うものなのだ。


 私の本名は桜日向25歳だった。私は一般的な社会人でよくあるブラック企業に勤めていた。

 そして7徹目、ようやく帰れると思い立ちあがろうとした時心臓発作で死んでしまい、目が覚めたら赤ちゃんになっていたという

 ……まぁ、よくある転生の仕方だった。


 愛のある家族に生まれた私はそんな両親に恩返しをしたいと思い必死に勉強した。

 そして私は苦労の末に試験に合格し特例として入学することができた。

 やはり最後に勉強してからだいぶ経っていたため、色々忘れたとはいえ、基礎知識は身についていたおかげで人より有利にできたのが大きかったと思う。


 しかし悲しきかな、入学式の前日に大きな病気になってしまった。

 一ヶ月も学校に通うことができず、そのため今日はみんなよりも一ヶ月遅れて入学したことになる。


 —ガラガラガラ—


 私が教室に入るとたくさんの美少女がいた。

 彼女らは全員名のある家紋を持った令嬢で中には国に大きく関わっている令嬢もいるらしい。


「あっ、いらっしゃいましたね。みなさん、こちらが転入生のマリーさんです」


 そう言って声をかけてきたのはこのクラスの担任のハルメ・ルーメル先生だ。

 ハルメ先生は私が入学するとき、「入学が遅すぎるのは変にみられる対象だと思うよ」

 ということで転入生として入学させることを提案してくれた。優しく生徒思いな先生なため、とても好かれているらしい。


「どうもみなさん、こんにちわ。グランヒル家のマリー・グランヒルです。どうぞよろしくお願いします」


 私はドレスのはじを持って綺麗に礼をする。クラスに馴染むには第一印象が大切だ。

 だから私はできるだけ上品に明るく振る舞った。

 その甲斐もあり、クラスの反応は悪くないと思う。


「はい、ではマリーさんはえーと。……クラメルさんの隣を」


 先生がそう言った瞬間クラスがざわつくのがわかった。何があるのかわからない私は言われた通りの席に移動した。

 この世界の席の形は大学方式で机が少しずつ後ろに下がるにつれて高くなるというものだ。

 私は席につき両隣の人を見る。私はどうやらクラメルさんとメリーさんの間に座ることになったようだ。


 メリーさんはショートの黒髪でとても明るそうな子だ。

 一方、クラメルさんはとても綺麗な紫紺のロングの髪をしている。彼女は私のことは興味ないみたいでずっと本を読んでいる。

 私は彼女から得体の知れない雰囲気を感じた。しかし、それが何故か心に引っ掛かるような不思議な人だった。


「はい、では授業を始めます」


 そう言って授業が始まる。ここからが私の新たな学園生活の始まりである。


 ***

 ー休み時間ー


「ねぇ、マリーちゃん」


「ん?」


「マリーちゃんはどうしてこの学園に来たの?」


 そう言って私に話しかけてきたのはメリーさんだった。彼女は明るい表情で私に話しかけてくる。


「私はね、学校を出て立派なお嬢様になるために来たの」


「へぇ、いい夢だね」


「そんなことないよ。へへへ……」


 彼女は照れたような声でそう答える。その無邪気な表情はとても可愛らしく元気をもらえる。


「私の夢はね、家族に恩返しできるように資格を取りたいと思ってるよ」


「マリーちゃんは親孝行なんだね」


「ふふ、ありがとう」


 その後もいろんな話をメリーちゃんとした。彼女はグイグイくるタイプでとても好奇心旺盛だった。私は彼女との会話を楽しんだ。


「そう言えばメリーちゃん、なんで私がここに座る時あんな騒がれてたの?」


 私がそう聞くと彼女は手招きをした後

 私を少し寄せて耳元でこう言った。


「彼女、クラメルちゃんは四大貴族の一つであるエレクトロ家出身なんだけど、その家素行に色々問題がある家でいろんな悪い噂がある家なんだ。彼女自身も人を寄せ付けない態度をとっているからみんなから不気味がられているの。それに、彼女自身も何かと悪い噂が多いんだって。だからマリーちゃんも気をつけた方がいいよ」


「なるほどね……」


 わたしはその話を聞いてある決意をした。

 そして、私は後ろを振り返り………


「ねぇ、クラメルさんお話ししましょ」


 その彼女に話しかけたのだった。

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