おはよう
自分の教室を探しながら歩いていると奥から中学の同級生が歩いてきた。といってもほとんど話したことはないし、保健室にずっといた私のことなど覚えていないだろう。向こうが私を覚えていることを期待していたわけではないが、何となく落ち込んだ。「帰って寝たい。」ずっと弱い自分が嫌いだったが、ここまで自分のことを嫌悪したのは初めてのことだった。
教室について私はすぐに机に座り突っ伏した。高校生になっても結局私は弱い。ただただ時が過ぎるのを待っていると隣に座った女子に話しかけられた。
「おはよう」
はじめは私に言ったとは気づかなかった。でも目があって確信した。私は動揺を隠すように無言でうなづいた。ほんとに情けない。
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