すまいるいんふぇくしょん

@karikaricheese

未来都市「ラディアンスシティ」。この街では、市民たちは常に「スマイルマーク（😀）」などで自分の感情をマークとして表示していた。スマイルマークは都市のAIが感情データを収集し、人々の精神状態を監視・管理するために作られたシステムだった。「不安」や「怒り」のような感情はすぐにモニタリングされ、専門のカウンセラーや薬で対処することができる。

そのラディアンスシティでプログラマーとして働いていたアオイは最近、街のスマイリングシステムに違和感を覚えていた。

「最近、やけにスマイルの表示が多くない？」と、同僚のケンジに話しかける。

「そう？俺は気にしたことないな。それより、新しいVRスマイルテーマ試してみた？」

ケンジの顔にも、無意識にスマイルマークが表示されていた。

その夜、街にはスマイルマークが異常に増えていった。電柱、地面、空に浮かぶホログラム広告…ありとあらゆる場所にスマイルが溢れ出す。そして、スマイルマークは不気味なほど一斉に点滅を始めた。