触33・触手さん巨木と戦う
あかん、メアリーが引っ張ってくれたけど避けきれん!
こうなりゃ受け止めてやるわ!
降り下ろされた枝を2本の触手で受け止める、ずしいっと重い衝撃が触手に伝わる。
痛ってぇー!!よくも殴ったな!?親父にもぶたれたことないのに!!
メアリーを触手で抱えると残りの触手で地面を叩いて飛び退く。
実は触手さん、掴むものなくても回避出来るように練習をしていたのだ、バランス取るの難しくて暫く転げ回ってたが。
メアリーを降ろして触手を構える、やるってんなら相手すんぞオラッ、シュッシュ!
全触手でジャブをかまして威嚇する。
【御子様、ここは私が】
私の前に立つメアリー。
あ~どうしようかね、毎回メアリーに戦わせるのもねぇ、何かいつの間にか主従関係になってるけど、一応私メアリーの主人にされてるようだし?
となると主人が何もしない訳にもいかんよね。
全部従者に任せっぱなしは格好悪いじゃん?
【私に任せて】
【……分かりました、お気を付け下さい御子様】
背中のピヨ彦を預けるとメアリーがスッと後ろに下がって控える。
う~っし、んじゃいっちょやるか~
半身に構えて腰を落とす。
いや腰なんぞ無いんだが、気分だ気分。
エビルトレントは枝を揺らしながら様子を伺うと、見た目と裏腹に素早い動きで此方に突っ込んできた。うおっ、木のくせして移動速いな!
だったらこうじゃ!!
エビルトレントの枝や胴体を掴むと、グルグル回転して真上に投げ飛ばす。
うおぉぉぉ~アニメ直伝!大○山おろしぃぃぃぃ!!
空高く舞い上がったエビルトレントは激しく回転し落下、そこへ。
オープン触!触手ドリルハリケーン!!
全触手を捻らせコークスクリューのように打ち出す、全身を殴打されて吹っ飛んでいく。
これでとどめだ!
オープン触!乙女汁ビィィィムゥゥ!!
大量の乙女汁を顔面にぶっかける。
どうよ、ひとたまりもあるまい!
顔面へ盛大に乙女汁を浴びたのだ、これで奴は……何ぃぃ!?
よろけてはいるものの、立ち上がって此方にやって来る、バカな!オープン触アタックを受けてまだ動けるというのか!
ええい忌々しい、ならばこれで引導を渡してくれよう!
動きの鈍ったエビルトレントを触手で絡めとり真上に担いで逆さにしガッチリホールド、そして残った触手で高くジャンプ。
48の殺○技が1つ!触手バスター!
私と一緒に地面へ落下、凄まじい衝撃がエビルトレントを襲う。
固いその身に亀裂が走っていき……縦に真っ二つに割れた。
投げ捨てると暫くもがいていたがやがて動かなくなった。
ふぅ……中々の強敵であった。
【お見事です御子様】
戦いを終えた私をメアリーが拍手で迎えてくれた。
さて、そんじゃ先に進みますか。
ピヨ彦を背中に乗せて亀岩の方へと歩いていく。
しっかしこの草原だだっ広いけど何も無いな、あの岩無かったら絶対迷うだろ。
木すら生えてなくて有るのは生い茂った草のみ、方向感覚狂うわこんなん。
見た目変わらん草原何日も歩き続けてたら病んできそうだわ、魔法で戻れるのが実にありがたい。
エビルトレント倒してからどれくらい経っただろうか、小さく見えていた亀岩もかなり大きくなってきた。
そろそろなんかね、最初は地平線の先にあったんだが徐々に近づいてるのが分かるくらいの距離感。
……ん~
でかいよな?
まだ少し遠いと思うんだけど、明らか大きいんだよなぁ、対比するもんが無いんで何とも言えんけど。
その大きさは近づくにつれ段々はっきりしてきた。
絶対でかい、つかこれ岩じゃねーわ。
山だ山。
亀岩と呼ばれるそれは実に巨大だった。
エアーズロックか何かかこれは。
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