触20・触手さん熱々になる
どうも、えっさほいさと壁を這いずっている真っ最中でございます。
だいぶ登ったのか既に下の方は見えなくなったが未だ上に着かず、静かな縦穴をひたすら上へ上へと目指す。
何か襲撃してくることも無く、まあ順調と言えるのだろうか?あの蜘蛛が巣にしてたせいかも知れない、な~んも居ないのは、蜥蜴の1匹も見当たらない。
ま~しっかし、真っ暗な中をず~っと壁登ってるのは気が滅入ってくるな、景色もクソもあったもんじゃない。
ピヨ彦がたまにピヨピヨ鳴いてくれるんでまだマシではあるが...
何時まで続くんだろうなこの穴、移動遅いたってかなり登ってきたとは思うんだが...おや?
上の方がうっすらと明るい、そろそろか?
歩みを進める度に明るさが増していく、つか何か暑くなってきたような...
かなり明るくなってきて崖が見えた、やっとゴールか。
それに伴って気温もかなり上がっている、ちょいと暑すぎない?
崖を這い上がり...到着!!いや~かなり登ったよなぁ...って...
「なんじゃこりゃぁぁぁぁ!!!?」
視界に入ってきたのは辺り一面真っ赤、ぐつぽこ煮え立った溶岩。
地獄か何か?上にあるのは天国じゃないのか?
地獄さながらの光景に絶句する、あ~、下で温水流れてたのはこれがあるからか...
溶岩の真ん中を広めの道が続いている、ここ通って行けば先に進めそうか、結構幅あるし落ちはせんだろうけど...
くそ暑っつ、この体汗を全くかかないんだけど、これが人間だったら滝のように吹き出していただろう。
つかピヨ彦は大丈夫かね?背中の方を見ると、特に何ともなさそう、元気にピヨピヨ鳴いてる。
ほんじゃまあ進むとしましょうかね。
真っ赤な溶岩の真ん中を突っ切るように道を這いずって行く。
周囲には何も無く、鍾乳石も見当たらないので何時もの鈍足モードである、いや鍾乳石上にあっても使いたくないなぁ...下手すりゃ溶岩ダイブだよ。丸焼きは御免だわ。
しかし道広いとはいえ何か出てきたら戦い難いなここ、高速移動する為のものも無いし...途中遭遇しませんように。
が残念、触手さんの願いは無惨に打ち砕かれた。
前方になんか居る、蜥蜴か?1匹デカイのが鎮座してた。
後ろ向いてんだけどこっちに振り返って...目と目が通じ会う~
んですっげ~勢いでこっち走って来た、デスヨネー!!!
ピヨ彦を避難させて臨戦態勢に入る、猛突進してくる蜥蜴が口を大きく開くと...口の中から火珠が飛び出して高速で飛来する。
こいつ只の蜥蜴じゃない!?もしかしてサラマンダー的な奴か!!?
速すぎて避けきれない...いや待てよ?そ~いや人間が魔法で似たようなの撃ってきたけど目の前で消えたよね?今回ももしかして...?
んなこと無かった、ばっちり触手の1本に直撃した。
「うおぉぉぉぉ!!!熱っちいぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!」
ドーンと破裂して触手の先端が燃える、うおぉ熱っち!!熱っち!!!
ブンブン触手を振り回してなんとか火が消えた、軽く焦げたくらいで済んだようだが。
くっそーこの前のアレ何だったのさ畜生めぇ。
残念ながらこっちの火球は消えてくれんようである、流石にもう食らいたくないぞ。
蜥蜴の突進は止まらず、また口を開き始める。突っ込んでくる間牽制で撃ち続けるつもりか、だが飛び道具は私にもある!!!
「食らえ乙女汁!!うぼえぇぇぇぇ!!!」
発射された乙女汁が蜥蜴の顔面に直撃して動きが止まる、どうやら両目に入ったようで顔を振り回しているが取れないようだ。
やがて乙女汁が固まると足をドタバタさせ暴れ始める。
今がチャンス、更に顔面に吐き出してやる。
顔中乙女汁まみれになりそれも固まると動きが大きくなった、ふむ、呼吸塞がれたか。
びったんびったんのたうち回っていたが、やがて大人しくなってついに動かなくなる。
完全に窒息した模様、突ついてみたけど反応無し。
いやはやどうにかなって良かったね、真っ直ぐ動いて来てくれたから当たったけど。
ピヨ彦が走ってきて背中に飛び乗った、お待たせピヨ彦勝ったぞ。
あさてと、これどうしよっかな~、食えるのか?見た目でっかい蜥蜴だけども。
多分爬虫類だろうしいけそうだけど...
「おぎゃあぁぁぁぁぁぁ!!!!!?」
乙女汁包丁を作り首を切ってみたら火が吹き出した、危っぶね~!!!
何こいつ、血じゃなくて火が体内巡ってんの!?
傷口から絶え間なく噴出する火炎、こんなん食えるか!!!
火だるまになった蜥蜴を放置して先に進むことにした。
すげー生き物も居るもんだ。
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