~三日月の幻(ゆめ)~『夢時代』より冒頭抜粋

天川裕司

~三日月の幻(ゆめ)~『夢時代』より冒頭抜粋

~三日月の幻(ゆめ)~

 …生録(きろく)に準ずる無刻(むこく)の便りが無知に信じた精神(こころ)を相(あい)し、一人(ひと)と現行(いま)との永い幻想(ゆめ)から紐を忘れた孤楽(こらく)を絵にして、低い白雲(くも)から身悶えして生く不装(ふそう)と現行(いま)との夜風を往くのは、無知の最中(さなか)に秘(ひっそ)り高鳴る夢想の八性(おろち)の急途(きゅうと)であった…。起心(きしん)の最中(さなか)に凌駕を幻見(ゆめみ)て〝端正(きれい)〟に巣立てる身力(みりょく)の桜花は歴然でもあり、一人(ひと)と八頭(おろち)の幻物語(ゆめものがたり)を幾つに解(かい)して孤立して活き、やがては縮まる不毛の栄華に純心(こころ)を尽せる先駆けとも成る…。

      *

 …ライン(フェイスブック・ツイッター)を散々して見てから眠った(初めての経験である)。その後に見た夢。脚が太い天然娘の画像をとにかく探しまくろうと躍起に成る内、ラインに辿り着いたのだ。元々このラインネットとは、友達との絆を、こんな希薄化した世の中だからと一生懸命保とうとして出来た、平成人の正味が滲み出て居るサービスネットであり、その「友達繋がり」が上手く祟って、(目当ての天然娘の他に)銀色娘や平原香苗、病気持ちの髭男や六車(むぐるま)、小さい瓶に入った娘等、数珠繋がりで笑(わら)かす程にわんさか出て来やがったのだ。

      *

 一幻(ゆめ)の過去から独理(ドグマ)が照り出し、一人(ひと)の世に立つ不屈の夜目(よめ)には、夜義(よぎ)に蠢く不装(ふそう)の日蓋(ひぶた)の〝塒〟を想わす白亜(しろ)さに素透り、一人(ひと)と律儀に自滅を想わす旧い化身に身重を保(も)った…。一人(ひと)と生録(きろく)の最中(さなか)に於いては人密(みつ)に弾ける不断に賜り、無間(むかん)に競える日々の憂慮は邪ばかりを九段(くだん)に見積もり、一人(ひと)の挿話(はなし)と孤独の挿話(はなし)が短い四季(きせつ)に巣立って生く内、一人(ひと)の四季(きせつ)に何気に想うは未知の脚力(ちから)と煩悩だった…。自体(おのれ)の肢体(からだ)と空慮(くうりょ)を横切る天の高みと柔らを観る内、幻想(ゆめ)と過去との生憶(きおく)の許容(うち)からしどろもどろの潔白(しろ)さに畝(うね)り、一人(ひと)の合図を精神(こころ)で培う人山(やま)の極意と総覧して居た…。自己(おのれ)の白亜(しろ)さと無純(むじゅん)を着飾る無重の化色(けしき)と貪欲から観て、漆黒(くろ)く途切れた一人(ひと)の生気は余所を観ながら快無(オルガ)を打ち出し、低い白雲(くも)から定めを置かない広い背中を小宙(そら)へ映した…。選り取り見取りの生果の末(すえ)から過去の背中へ写して生くのは、黄色い世界の生録(きろく)と飛び交う不純ばかりの栄華であった…。一人(ひと)に佳日と無力を追う内、低い小宙(そら)から未来(さき)を観るのは、やがて咲かせる無機と集成(シグマ)の身重に寄り着く小金(こがね)を取り保(も)ち、一人(ひと)の仕種に自覚(かくご)が揺らめく偽装の自主(あるじ)を懇願して居た…。仕留め始める未屈(みくつ)の信途(しんと)は無知に着飾る不穏を見出し、自己(おのれ)の日々から躰に自由が成り立つ不彩(ふさい)と現行(いま)との柔らを貴(たっと)び、過度の身辺(あたり)に未完(みじゅく)が遠退く旧い生絆(きずな)を歪めて魅せた。過去の溜まりから見て生録(きろく)と性(さが)との子守を見たのは、一人(ひとり)に根付ける無用の欲事(よくじ)に過去を困らす謙遜にも似て、日々の両腕(かいな)を身の上にも識(し)る固陋と意固地の訣別とも成る。未活(みかつ)の憂慮を死太(しぶと)く労う過去の大手(おおて)を根削(ねこそ)ぎ培い、自己(おのれ)を侍らす生憶(きおく)の縁者は児(こども)を拝する未憶(みおく)に培い、一人(ひと)の俗世の子守歌から未知を紐解く夕べの生録(きろく)は、一人(ひと)と未(いま)との過去の集成(シグマ)に無活(むかつ)を這わせるきらいを識(し)った…。自己(おのれ)に蔓延る不従(ふじゅう)の苦肉は子孫の手に依る訣別から成り、自由に振舞う現行(いま)の宮(みやこ)はきらいを見定(さだ)める不倖に在った…。自体(おのれ)の白亜(しろ)さと過去の恨みは無像(むぞう)に蔓延る境地を訪れ、低い白雲(くも)から柔裸(やわら)を抜かせる人間(ひと)の両腕(かいな)を払拭して居た。過去独語(むかしがたり)に秘(ひっそ)り固める未来(さき)の縁者と固陋の術(すべ)には、取り付く島から余程を透せる旧(ふる)びた景色の過言が織り成せ、一人(ひと)と現行(いま)との過保護の許容(なか)には理知に遮る「奈落」が在った…。

      *

 …なんとあの人の顔を真面に見て話さないげじげじ男の気色(きしょ)い糞馬鹿も出て来た。あの苦虫嚙み潰した様な、目と顔の長さが気持ち悪い、ムカつく苛つく阿呆な顔を、滅茶苦茶多い投稿の中で、何度も何度も何度も「これでもか!」っちゅうほど掲載して居た。こいつの気色い顔を見る度に「バァカで~~こいつ(笑)(笑)」と大笑いしたもんだ。まさか今、ラインネット(ここ)でこんな形で見れるとは!と本当にドキドキしながら殆ど半日中楽しんで居た。桃尻天然娘は矢張り可愛らしく、洗礼の園ブログの写真に写る全ての女社員の内で、ピカイチのアイドル的顔をして居た。やっぱり、俺の目に狂いは無い。あのとき思って居た腿尻娘(ももじりむすめ)への想いは、その通りである。しかし皆、ネットに自分の情報と顔をアップさせてやがる。病気保(も)ちの髭男も、自分の顔をでかでかとドアップで、くっきり浮き立たせて、ネットを見る皆様に公表して居る。

      *

 無知に息衝く固陋の悪夢に、女性(おんな)が息衝く迷いの目下(ふもと)は日々を盛(さか)りに夢盲(むもう)を報され、日々に懐ける無謀の自主(あるじ)は小言を煩う独創(こごと)を見忘れ、白亜(しろ)く成り立つ無言の共鳴(さけび)は夢知(むち)に棚引く不彩(ふさい)を買った。旧い棚から暗夜(やみよ)が塞がり、日々の奈落に夢想が成り立つ神秘(ふしぎ)と現行(いま)との独創(こごと)が成った…。幻想(ゆめ)と過去から無垢から拡がり、白亜(しろ)く成り立つ神秘(ふしぎ)に集まり、過去(むかし)に成り立つ神秘(ふしぎ)と現行(いま)とが未屈(みくつ)に跳び立つ無録(むろく)と成った…。不和に息衝く人形(かたち)の暗黙(やみ)には未録(みろく)が片付く小宙(そら)など傾き、木造家屋の素手に集まり男女(ひと)の最中(さなか)を信心に見た…。過去に集まる「自由の最中(さなか)」は、日々の目下(ふもと)へ未開が成り立つ無謀と現行(いま)との未完(みじゅく)を保(も)った…。人間(ひと)の過録(かろく)が未屈(みくつ)を執り成し、日々の空気(もぬけ)に未屈(みくつ)が片付く不毛の人形(かたち)と配りを買った。男女(ひと)と現行(いま)との無限を片付け、小宙(そら)に失くなる無侭(むじん)の独語(かたり)は無知に息衝く無解(むかい)と成った…。無知に傾く男女(ひと)の万(よろづ)は不彩(ふさい)に基づく無謀と集まり、自己(おのれ)と過去との自主(あるじ)の両眼(まなこ)は日解(ひかい)の素振(そぶ)りを寸胴(ずんどう)にも観て、幻覚(ゆめ)に固まる不幸の両手は未屈(みくつ)に成り立つ無録(むろく)を保(も)った…。一人(ひと)に織り立つ過録(かろく)の日々には「一幻(ひび)と始め」の無彩(むさい)を象り、安い人形(かたち)の未屈の生徒は日々に片付く形象(けいしょう)を識(し)る…。幻想(ゆめ)の最中(さなか)に迷える神秘は過去に始まる白亜(しろ)さと成り立ち、人間(ひと)と価値との小宙(そら)の相図(あいず)は魅力を失くして失敗して居た…。無口に成り立つ神秘(ふしぎ)の成果は無心と日々との明朗(あかり)を点(つ)け出し、神の目下(ふもと)で未完(みじゅく)が保(も)ち出す日々の不快をその芽(め)に識(し)った…。人間(ひと)の価値とは具形(かたち)に盛(も)り出し、幻(ゆめ)と現行(いま)との無屈(むくつ)の人扉(とびら)は無刻(むこく)に独語(かた)れる不彩を買った…。無心に活き貫(ぬ)く人間(ひと)の両刃(やいば)は不在の初出(いろは)を次第に盛(も)り付け、上品ながらに過去(むかし)が盛(も)り出す神秘(ふしぎ)と現行(いま)との旧(むかし)を二重(かさ)ねた…。日々に片付く八性(おろち)の行方は無垢の過去(むかし)に寄り付きながらも、旧い日々から無想を興せる旧い共鳴(さけび)の無屈を盛(も)った…。白亜(しろ)い日々から不通の名残は睦(むつ)の奇蹟をその瞳(め)に立たせて、日々の跡(あと)から不通が鳴り込む無知の行方を散策して居た…。宗匠頭巾に過去(むかし)が成り立ち、白亜(しろ)く盛(さか)れる不毛の一宮(みやこ)は、幻想(ゆめ)の個録(ころく)と夢想(むそう)の明日(あす)には付録と暗(やみ)との自然(あるじ)と成った…。

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~三日月の幻(ゆめ)~『夢時代』より冒頭抜粋 天川裕司 @tenkawayuji

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